異色作品集と銘打っているだけあって、長嶋有のメインストリーム、マスイメージからはちょっと外れた作品が並んでいる。はじめて読むんなら、やっぱ「サイドカーに犬」「猛スピードで母は」「夕子ちゃんの近道」がいいんじゃないだろうか。「エロマンガ島の三人」と続編の書き下ろし「青色LED」の間に、習作に近いSF2編と“濡れない”官能小説が一編。どっちかっつーと長嶋有ファンのための作品集の趣きだ。
発見としては、“長嶋有の小説ににフジモトマサルのイラストは合う”ってのと、ネタとしては、「ケージ、アンプル、箱」のなかの「仰向けに寝たときに、かかとから先を伸ばした状態の人と、垂直に立つ状態の人といる」ってのが面白かった。
フレーズとしては、
「そうか。私は「典型」が嫌なんだ」
「相槌は「いいかも」の割に、それをやらないし、そこにいかないし、しないんだ」なんてのが、長嶋有っぽくて気に入った。
それと、
「「うーん、まあまあかな」を選んだ感じ」(『ときメモ』の選択肢)なんていう、ゲームやってた人にしかわかんないフレーズが随所に散りばめられてて、(やってた人間には)ニュアンス伝わる。
いっとう共感したのは、エロマンガ島の幼い少女たちにエロマンガを見せちゃいけない!!ってくだりでの、
「日本のために。大げさでなく、自分が「日本」を代表しているような使命感が急に湧き上がる」って感情。
日ごろは一切、「国」なんて意識しないけど、よそ様の国の人にだけは嫌われたくない、嫌われちゃいけないって場面でだけは、モーレツに「国」ってのを意識するんだよね、俺も。