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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
現在のエロマンガの手引書,
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レビュー対象商品: エロマンガ・スタディーズ―「快楽装置」としての漫画入門 (単行本(ソフトカバー))
自らの体験でいえばエロ漫画のお世話になったのはアダルトビデオの出現までだったが、それでもダーティー松本が好きで単行本は集めた。結婚して家庭を持つことでそれらの本はダンボールに入れて実家の押入れ深くしまわれてしまったが、最近たまたま書店で雑誌「LO」を立ち読みし、こんな世界があるのかと愕然とした。町田ひらくの絵を表紙に使ったこの本は誘惑的で、読むと作者の博覧強記ぶりとエロマンガの現在の広がりと深さにびっくりさせられた。しかし町田のサイン会に集まるファンの半数が女性読者だとは世の中変わったもんだ。第一部のエロマンガ全史は後世への影響力から手塚治虫作品の分析から始まっている。医学部出身で医師でもあった手塚が性の微妙な問題を採り上げたのは当然な気もするが、生前のインタビューで鉄腕アトムの実写版を撮影したとき「アトムを女性にやらせたらエッチになっちゃって」と苦笑いしながら告白しているのを記憶しているが、本人も鉄腕アトムのエロチズムには気づいていたと思う。 1980年代前半頃まではついていけたがそれ以降は未知の世界で、90年代前半に宮崎勤の事件を伏線とする大弾圧事件があったとは知らなかった。その後に「萌え」の時代がやってきて今の隆盛期につながる。 第2部は欲望のカタチから7つに分類して作品を紹介しているが、現在の作品を紹介するにはそれだけ分野が広がり内容が深くなったということである。著者は意識的に難解に説明しているようだが、内容の把握はそれほど大事じゃない。ここに挙げられた著者と作品は代表的なものであるから、まず手にとって中身を見ることである。そういう意味ではこの本は現在のエロマンガの手引書であるともいえる。
46 人中、39人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
素晴らしい。故にオススメ出来ない?,
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レビュー対象商品: エロマンガ・スタディーズ―「快楽装置」としての漫画入門 (単行本(ソフトカバー))
本書は二部構成となっていますが、第一部のエロ漫画全史については当時の社会・漫画界との関わりを交えつつ、エロ漫画が読者の要望(欲望)を 巧みに捉えて進化してきた事が良く解ります。 今まで自分達が読んできた「健全な」作品に組込まれたエロティシズムや 少女漫画とエロとの密接な関わりについて等、新しい発見も多数ありました。 しかし本書が凄いのは第二部で、これを読むと第一部は第二部を理解する 為の予備知識でしか無かったのかと思わせる程です。 エロ漫画によく取上げられる特殊な性的嗜好についての解説なのですが、 それらの変態的嗜好を色々な作品例を挙げながら分析し、一つ一つの要素に 分けてしまう事により、人間誰しもが持つ性的嗜好に行着く事を解説している のです。 それ故に今まで「変態」と一言で片付けていた性的マイノリティの思考を 理解出来てしまう事に軽い恐怖を覚えてしまいます(苦笑) この本を読んでしまうと、エロ漫画に性の探求という芸術性や哲学性を感じる 様になってしまいます。 その意味ではエロ漫画をエロとして読み続けたい人には不向きかもしれません。 でも、オススメです(笑)
48 人中、39人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
最強のエロ漫画評論,
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レビュー対象商品: エロマンガ・スタディーズ―「快楽装置」としての漫画入門 (単行本(ソフトカバー))
すばらしい。とにかくすばらしい。本書はエロ漫画評論の第一人者である永山薫による、他に類を見ないエロ漫画評論書であり、今後この分野の研究・評論においてキーストーンになると断言できる偉大すぎる1冊です。本書は2部構成になっており、第一部は1940〜50年代から現在に至るまでのエロ漫画の歴史を作者・作品とそれをとりまく出版状況、社会情勢を視点にいれて検討する「エロマンガ全史」。第二部では「愛と性のさまざまなカタチ」と題され、エロ漫画における7つのモチーフ(ロリコン漫画・巨乳漫画・妹系と近親相姦・凌辱と調教・愛をめぐる物語・SMと性的マイノリティ・ジェンダーの混乱)をとりあげて、各モチーフにおいて、名作・秀作に言及しながら、「なぜそれが書かれる/読まれるのか?」を分析していきます。 フィクションをたたき台にして人間とか社会といったものに言及する文章を読むと、筆者の世界観を正当化するための我田引水ぶりや、逆に実感をともなわない空虚さを感じて違和感を覚えることがしばしばあります。しかし私は本書を読んでもそうした違和感をもちません。それは十分な客観性を保ちながらも、「エロ漫画」というものに対面する自分の骨がらみな部分と向き合い、表明する覚悟が筆者にあるからだと思います。シャープかつクリアであると同時に硬質な叙情をにじませる文章も肌に合います。ひさびさに評論読んでしびれました。私は評論を読む時には「良い評論=面白い評論」というややIQ低めな基準を採用するのですが、本書は本当に面白かったです。
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