これを言祝がないファンはいないだろう。
すべての作品のベーシックはEPIC時代にあり、
そして、試行錯誤ながら「伝説」と語り継がれるライブが多いのも、
この頃である。(悪い意味の緊張感も含んでいるが)
過去の作品もふくめて、タイトル数が充実していくのは、
エレカシの好調と時代とが共振していることを示している。
こころに届く歌をみなが欲しているのかもしれない。
ごつごつとしているが、その刃先に触れると、
腕や足を一本ごと落とされてしまいそうな「鋭さ」、
それが全身に漲っていたのがEPIC時代のエレカシである。
タイやインドネシアの部族民が藪を払うために携帯する、
自作のナイフを想像してみて欲しい。
ステージ衣装もなく、親から借りた背広を着ていたという4人。
その姿は、浮かれたつ経済社会に溶け込めない、
不器用な生き方をまざまざと示している。
ただ、それのみがエレカシでないことは、
宮本浩次が何度もくり返し説明することではある。
キャリアにおいて現れたすべての作風は、
エレカシや宮本の中からにじみ出す、思いの結晶なのである。
あとは、暇を見つけて旧作全タイトルのリマスター発売を希望したい。
既発盤は、ざっくりしているのはよいのだが、
デジタル技術が発展途上で音の鳴り分けがはっきりしていないので、
Beatlesの2009年リマスターではないけれど、
ミックスも含めて全面的に新しいカタチのものとして再生して欲しい。
エレカシのEPIC時代は今聞いてもヒリヒリするのだ。
ビデオ素材が経年劣化して褪色がひどいのだろう、
発色の悪い映像が気になったので、4つ星にするか5つにするか迷った。
しかし、「1994年の日比谷野音映像」が蔵出しされたことを祝して、
迷った末に5つ星で確定する。