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エル・スール [DVD]
 
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商品の説明

内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)

内戦の苦悩を内に秘める父と、彼を静かに見つめる娘を静謐なタッチで描く。ビクトル・エリセの、『ミツバチのささやき』に続く10年ぶりの第2作。ライナーノーツ封入。


内容(「Oricon」データベースより)

父との想い出を回想する娘の姿を独特の映像美で描いた、巨匠エリセ監督2作目の長編映画となる人間ドラマ。

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31 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 予備知識が必要とはいえ、全き秀作であることは確か, 2003/3/23
By yukkiebeer - レビューをすべて見る
(TOP 10 REVIEWER)   
△「小さかった頃にお父さんのことが分かっていたかい?」と父は娘に静かに語りかけます。大好きな父。自分を宝物のように大切にしてくれた父。だがその父の真の姿を知るには少女エストレージャ(スペイン語で「星」)はまだ幼すぎたようです。

 突然姿を消した父には悲しい過去があったようだ。あの長距離電話は誰に対して何の目的でかけられたものなのか。父が書いた手紙の相手は誰なのか。父と祖父との間の確執とは一体いかなるものだったのか。父が自分の初聖体拝受の日に教会の後ろで見守ったのはなぜなのか。そんな数々の疑問に対してこの映画は明確な答を与えることなく幕をとじます。あまりにも唐突な幕切れかもしれません。

 エストレージャは父にまつわる多くの謎を、この映画の後日談となる「南(エル・スール)」での新生活の中で明らかにしていくことでしょう。父の真の姿を探す中で必ずや彼女が目にするのは内戦が引き裂いた人々の絆のはずです。身をもって祖国の悲しい歴史を学ぶ中で、少女は大人になっていくわけです。

 大人への階段は痛みを伴うものであることを、この映画を見る者の多くは思い出すことでしょう。自分自身の成長の物語に照らしながら。

△父親の乳母であるミラグロスの話すスペイン語についてエストレージャが「話し方が違う」と言う場面があります。耳をすますとミラグロスの話すスペイン語は語末のsの音が消失しているのが見て取れるので、この人の出身がアンダルシアだなと想像できます。しかし映画の中ではそこまで分かるようには説明されません。そもそもアンダルシアが南(El Sur)を意味するのだということも地理になじみがないと分からないでしょう。
 またスペインの内戦がどういう派閥同士の闘争であったのか、その歴史を知らない人にもこの映画は分かりにくいかもしれません。そういう意味ではスペインについて多少の予備知識が要求される作品かもしれません。

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14 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 映画の基礎を教えられる。, 2006/2/18
この映画は1983年公開だからかなり古い作品である。映画のタイトルやクレジットもモーションはなくタイポグラフィもシンプルで味気ない。だが本編が始まった途端、そこにはフェルメールの絵のような美しい映像に僕は一気に引き込まれてしまった。光と影。背景の中に現れる要素。暗闇の有効活用。抑えた色彩感。季節感の表現。もう数え切れないほど学習させられる映画である。映画の中にはさまざまな場面があるが、その舞台は…となると実に少ない。カモメの家が主軸だが他にはシネマの前、隣のバー、駅近くを思わせる部屋、そして教会とグランドホテルである。あとは海を見渡す丘の上や大きな裏山のような雄大な自然の景色だ。そのシンプルさが素晴らしく僕を惹きつける。また、バールの窓際の席で手紙をしたためるシーンや、グランドホテルでの昼食のシーンはエディトリアル的なファッション写真構成そのものに思えカット割りと構図の素晴らしさに唸ってしまう。カメラが捉える人物との距離感には相当の幅があるのだが映像が美しいので気にならない。目立たないけれど衣装も繊細な気配りが効いていて素晴らしい。質素だけれど上質であることがわかるし、一枚一枚の服の色彩がとても見事だ。映画の基本の基本がしっかりしていて見ていて本当に気持ちいい。娘が父の思い出を語る主法で散文詩的なナレーションが物語を引っ張っていく。この手法は静かな描写の映像をゆったりと見せながらストーリーを紡いで行くのに最も適している。しかし、その手法が効果を発揮するのは、この映画のように完成度の高い絵画そのもののような映像美が合わさってこそ。静かなナレーションを陳腐な構図や、画面内要素が整理されない絵にいくら重ねてみても物語には意識がいかない。このあたりの案配は極めて慎重に取り組まなければならないだろう。その意味でこの映画から立ち昇ってくる空気感は、何がどう存在しているからなのか、その構成要素をもう一度検証しておくべきだと思った。
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 丹念な日常の描きこみが生の深淵に通ずる, 2007/4/24
「日本公開第1作「ミツバチのささやき」で話題になったエリセ監督だが、前作より10年経て、日本公開2作目のこの作品で、さらに幅広くファンを獲得したのではなかろうか。
スペインの片田舎の風景の中、父親と娘の心の触れあいを、寡黙なくらいさりげなく、淡々と小さなエピソードを、風土色あふれる町並みや自然にすっかり溶け込んで、丹念に描いている。父親にも、男としての別の人生があったのだとふと思いが至る娘の表情や、父親が酒場で、思いに耽って酒の入ったグラスをひとり空ける姿など、エリセ監督の暖かく、しかも人生の深淵をさっと垣間見せるような演出とカメラワークが秀逸であり、すっかりエリセワールドの虜になってしまうのだ。
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