撮影直後に劇場公開された1970年オリジナル版と2001年DVD&VHS発売のスペシャルエディション(以下、S.E.)、2つのバージョンの「オン・ステージ」がセットで発売。
1970年版は1997年にもDVDでの発売がされていたが、2001年版の発売以降、入手困難となっており、買えなかったファンにはこのオリジナル版が非常に嬉しい。
69年夏のラスヴェガス復帰以来3シーズン目のオープニング4日間とリハーサルを撮影したこの作品であるが、68年のカムバック以来のワイルド感よりも緊張が解けたのか、「円熟」という言葉がよく似合うエルヴィスが観られる。
オリジナル版が多くのおふざけシーンや開演前の緊張シーンを追っていて、よりエルヴィスの人間らしさが強調されているのに対し、S.E.はどうにも現在良く知られた曲のシーンばかりが使用されていて「the King」としてのエルヴィスが強調されているという点では対照的である。
「カッコいい」エルヴィスも良いのだがS.E.も含めて見慣れてしまっており、エルヴィスファンの心理としては「70年当時の」エルヴィスが観たいのであってS.E.に物足りなさを感じざるを得ないというのが、両方を通して観た私自身の感想である。
それだけ、オリジナル版の良さが際立っているとも言えるのであろうか。
また、特典の未公開映像は、画質が極めて悪く残念(その分、星を満点から1個減点)ではあるが、珍しい曲を歌っており、そうした意味でもファン必見である。
尚、この作品とオン・ツアー(72年公開)のアウトテイク映像を集めた「ロスト・パフォーマンス」のDVD化も待たれるところである。