エルミタージュの中を逍遥する旅人の思いが映像に昇華した夢物語です。
ひとりの異国の旅人と同伴するロシアを愛するその知人としてナレーションのみで登場する監督自身、あとの登場人物はすべて夢の世界の住民で、その夢はエルミタージュができてからエカテリーナ2世のとき頂点を極めるヨーロッパ的貴族文化を時代ごとに実話を交えながら表現されるのです。
よって、私たちはこの2人と共に美術館(王宮ですね)での数百年にわたる出来事に思いをはせることができるという贅沢な鑑賞ができるのです。すごいですよね。
しかし、監督のバイアスとしては特典のインタビューでも言っているように
19世紀のロシアに対する監督自身の郷愁があり、それゆえ、貴族文化すなわち華やかさをエルミタージュ??歴史と共に総合的に映像に表現したものと捉えることができると思います。
ワンカット撮影に関しては美術館を逍遥しているうちに美術館自体がその歴史を話し掛けてくれるようなエルミタージュの特異な空間の総合的表現としての効果がありすごく成功していると思います。シーンが切れないで時代や人が交差することが夢としての表現なんですよ。
最後に特典の館長の言葉「これがこのエルミタージュ始まって以来最初で最後のこと」というのだから、この映像で歩いてみるのも良いでしょう?いかがです?
映画の最後は19世紀へのノスタルジアとの決別ですが、それはエルミタージュ、ロシア、さらには人類がこれからどうなるのか、変化または進歩の過程に過ぎないことも示していると思います。お酒でも呑みながらみるのがいいかなー。贅沢な一時の旅行ですね。こういう贅沢な時間の過ごし方はお勧めです。夢に浸りましょうよ