惹きつけられ、癒され、また小さな勇気も湧き起こさせる、物語です。
主人公は、瑛(てる)という女子大生。
かつての高校の教師と同棲している。繊細そうに見えたその男は、実はDV男だった。
ある日瑛は、彼のもとから逃げる。
逃げた先で出会ったのは、エキゾチックで明るい笑顔を持つ7歳の少年、ニノだった。
ニノも、「灰色」の男から逃げている。二人は、一緒に逃避行を初めていった…
いつまでも逃げ続けることはできず、いつかは戦わなくてはいけない。
瑛には瑛の、ニノにはニノの、逃げていたものと向き合う瞬間がやってくる。
傷つき、逃げて、エネルギーが枯渇しているはずなのに戦う二人の姿には、
心を打たれます。
結局、自分の自由を手に入れるのは自分、だと気づかされます。
瑛とニノは、若い女性と7歳の少年だけど、あどけないニノの仕草や表情とは裏腹の
ニノの瑛に向ける言葉には、ドキッとするものがあります。まるで恋愛関係にあるようで…
男の子って、すでに内側にオトコを持っているものなのかな。
いつもの、懐かしい感じ、エキゾチックな感じ、冒険の感じ、そういった
中島京子的な要素が詰まった、1冊です。