プレヴィンの《威風堂々》は最高です。やはり彼にマーチやバレエ音楽のような、リズミカルで華麗な曲を振らせれば右に出るものはいないでしょう。
これは85年7月の録音なので、まだプレヴィンがロイヤルフィルの音楽監督に就任して1年にも満たない頃なのですが、あたかも10年以上の歳月を費やして作り上げられた関係のような阿吽の呼吸が存在し、ため息が出そうなくらい完璧なアンサンブルを披露してくれています。少し間違えば乱暴さが目立ってしまう《威風堂々》の行進曲ですが、プレヴィンは丁寧に音処理を行って華麗に仕上げており、気品の漂う最高の《威風堂々》になっています。きっと11年間共に過ごしてきたロンドン響との経験の中でイギリス音楽の神髄がみえていたのかもしれません。
この半年後の86年1月には
チャイコフスキーの《くるみ割り人形》を録音し、それまで最高の評価を受けていたロンドン響との録音以上の評価を受けることになりますが、この《威風堂々》の完成度もそれに負けないほど高いものです。イギリス人のバルビローリ指揮の《威風堂々》も素晴らしいですが、個人的にはこのプレヴィン盤の方が旋律の歌わせ方が豊かで好みです。他にはショルティ盤やバーンスタイン盤といった名演がありますが、華麗さを求める方は本盤を買っておけば間違いありません。
二曲目の《フォールスタッフ》は、デュトワが手兵モントリオール響と1989年10月に録音したものです。これについては他のCDを持っていないなので比較はできませんが、非常に聴きやすい演奏でした。聴く前は「フランス音楽の第一人者であるデュトワがエルガーやるの??」と少し心配でしたが、全くナンセンスで、聴いた後に反省してしまいました。