どうも日本では、クラシカルな音楽以外からラッパを始めた方の多くが『感性』や「気合いと根性」みたいなものに逃げてしまい、きちんとエチュードをさらうということをする人がとても少ないように思います。クラシカルなフィールドの人でさえ、そうしたエチュードは使うかもしれないけれど、そこに原語で書かれた注釈まできちんと咀嚼して練習する人は案外少なく、処方箋を見ないで薬を飲むような現実があるように思えます。
楽器の上達にジャンルは関係ないし、欧米で活躍しているプロの多くはジャンルに関係なくやはりきちんとこうしたトレーニングを積んでいるものです。だってエリックさん自身がそうしてきているからこそこういう本が出せるわけですから。
日本人のラッパ吹きには「音域」と「耐久力」にコンプレックスを持つ人が欧米に比較して非常に多いです。それはエリックさんみたいにこうしたものをきちんと分析、咀嚼して語れる人がいなかったからでしょう。実際、エリックさんが活動の拠点を日本に移してから、明らかに日本のラッパ吹きの音域についてのクォリティは上がっているし。
上手くなりたかったらこうした探求は避けて通れません。そうしたことについての実に分かりやすいコメントが満載なのがこの本です。ラッパを上手くなりたいのならばきちんと読んで下さい。そして吹いている自分を客観的に眺めること。こういう探究心を持たずにプロになろうという人は信用できないし、それなりで終わるでしょう。こういう情報を惜しげもなく開陳してくれたエリックさんの自信が見える素晴らしい本です。