ガンヤス世界を支配しようと企むペドパイロットに対して、反体制組織ペルダシストと新たにミュータント種族ファルログを加えた連合軍で戦いを挑むテラナーの活躍を描く大長編SFスペース・オペラ宇宙英雄ローダン・シリーズ第243巻。本巻の執筆者は、前巻と同じ名コンビのエーヴェルスとフォルツです。ローダンたちは逃亡の末に、惑星エリスガンの首都カピノシャに辿り着く。
『悪戯なミュータント』H.G.エーヴェルス著:ローダンは悪辣なペドパイロットに対抗する為、エリスガンの地底に住むガンヤス人ミュータント種族のファルログにも協力を求める事を決め、ペルダシスト指導者のレモトラスの案内で勇躍地底の空洞世界へと向かう。『エリスガンの地底帝国』ウィリアム・フォルツ著:真正ガンヨのオヴァロンは‘原母’に帰還を認証させる為、ローダンの体から離脱して旗艦《マルコ・ポーロ》の自分の残留体に復帰し原母の惑星アリバヌムへと向かう。一方、惑星エリスガンでは首席ペドパイロットのグヴァラシュが、にせガンヨを利用した陰謀を企んでいた。
エリスガンの地底世界はアトラン曰く狂気のギャラリーで、メタルプラスチックが好物の泥棒猫フラー、イップという順応できなかった者を‘調整’する特殊な時空のひずみという物騒な罠等が存在します。前巻に続き翻訳を担当された天沼春樹氏のあとがきは今は亡きドイツ文学者、高橋健二先生のお話です。学生として中央大学名誉教授高橋先生の講演で聴いた、先生が若き日に芥川龍之介と対面された時の面白いエピソードを紹介し、1998年3月に九十六歳で没した先生の生涯は長命で豊かなものであったと語られます。私達はこの混沌の時代にこそ、人のふれあい、素朴な人間関係に回帰するべきなのだと結ばれています。