新編成で制作された復活作「ポラリス」に続くアルバム。今回も、楽曲はティモ・コティペルト(Vo)とイェンス・ヨハンソン(Key)を中心に、他のメンバーの名前も随所にクレジットされており、バンドとして一丸となり仕上げたような印象が伺える。特に前作より加入したマティアス・クピアイネン(g)も多くの曲を書いており、バンドの中でも重要なポジションを確立しつつあるようだ。
「ポラリス」の流れを継承したと思わしきアート・ワークが美しい本作は、煌びやかなキーボードが印象的な「DARKEST HOURS」で幕を明け、「INFERNAL MAZE」「THE GAME NEVER ENDS」「EVENT HORIZON」「CASTAWAY」辺りが、アップ・テンポ〜疾走曲。その一方で、18分の大作「ELYSIUM」、雄大なコーラスを取り入れた「FAIRNESS JUSTIFIDE」、重くタメるような「LIFETIME IN A MOMENT」、アコースティック・ギターを取り入れた叙情的な「MOVE THE MOUNTAIN」と、これまでのアルバムもそうであった様に、全体を通して聴くと、曲調のバランスが取れた作風になっている。ただ、もっと聴き込めば解消される事かも知れないが、起伏に富んだ曲が多い為、キャッチーさという点は若干薄れてしまっている気がする。この辺は、プログレッシヴ・ロックの作品を聴く姿勢で臨んでみると良いかも。
ボーナス・トラックとして1曲目のデモと、「AGAINST THE WIND」他のライヴ音源を収録。マティアスは、典型的な様式美ギタリストでは無く、個人的には少々プログレ掛った雰囲気のプレイをする印象があり、それが作曲面でも演奏面でも反映され、現編成のサウンドと05年までの作品におけるサウンドに一線を引く要素の1つになっているのかも知れない。本作に従う来日は、ハロウィンのスペシャル・ゲストとしての参加なので、演奏時間は少々短いかも知れないが、これらの楽曲を生で見て聴ける日が待ち遠しい。尚、本作制作後に癌が発見され、治療に専念していたヨルグ・マイケル(ds)は、回復して良い方向へ進んでいるとの事。