エリザベス1世に関する本は沢山あり、
少なからず読んでいますがこちらは大変な価値を感じます。
まずあとがきによって述べられているように、
著者の第一資料に基づく長年の研究による真実に限りなく近いという意味で。
他の本で知ることのなかった事実も
数多く書かれていると思いました。
そして、エリザベスが深く関わった人物の描写も、
時代背景やそれぞれの思惑、勢力関係、
有力貴族の衰退・顛末までも、
彼女が所有していたもの、おかれていた状況・事情を
できる限り詳しく描かれ
エドワード6世やメアリー1世との確執や
身辺に寄り添っていた女官や家臣など、
その時々によっての相手に対して持っていた感情とその変化を
自然にストーリーに組み入れて
素晴しい歴史伝記となっています。
かのエリザベス1世を育むことになった構成要素。
生い立ち、幼少期、多感な少女期、
そして信念や哲学形成に与えた出来事や教育や生活に関しても
物語の中にうまく描かれています。
今まで読んだエリザベス1世についての本の中で
いちばん正確にエリザベスを語り、
美しい日本語で仕上げてくれた素晴しい本だと感じました。
新書の「イギリス中世の女たち」を併読すると、
ほんの細かいエピソードですが、
本書で触れられてない事が書かれていたりして満足です。