普通の少年エラゴンがドラゴンライダーになるまでの成長を描いた原作と違い、映画版エラゴンは初めから終りまで完全無欠のヒーローであることにまず驚く。心も戦闘技術も既に抜群のエラゴンは16歳。説得力に欠ける物語だ。
ブロムを脇役に使い、彼やマータグとの信頼関係構築期間を無視するには、これしか方法がなかったのであろうが、原作を編集しまくった結果、壮大なファンタジーが、あたかもブルース・ウィルス主演の勧善懲悪もの2時間ドラマのようにまとまってしまったのは非常に残念である。
「所詮はCG使用の現代映画」というレッテルを張られぬようにと、体を張ることを求められることの多かったエドワード・スペリーアスの演技や、想像の産物でしかないドラゴンに命を与えたCGテクニックなど見所がないわけでは決してないのであるが、ひとっ飛びで巨大になって帰ってくるソフィラなど、脚本の薄さが素直に反映した出来栄えになってしまってもったいない。
次回作で是非とも挽回して欲しいものである。