1986年7月リリース。録音は1985-86年と言われている。この年ELPは突如復活する。ただしPはPでもコージー・パウエルでの復活である。これをELPと認識していいかは難しいところだ。事実、自身もそう思っているような感触があって、このアルバムの中の『タッチ・アンド・ゴー』などはのちのアルバム・ボックス・セット『リターン・オブ・ザ・マンティコア』では、ドラム部分を根こそぎカール・パーマーで録音しなおしてリリースしている。
ただ音楽は極めてELPらしさ満載である。ELPにコージー・パウエルのドラムが加わったことでよりハード・ロックに近づいたとも言えるだろう。この時期、イエスやエイジアが商業的に大成功を収めていたのが、キース・エマーソンのハートに再び火をつけたようだ。当初は8曲でリリースされたが、現在のものは10曲のものが一般的になっている。
8曲当時にラストを飾っていた『Mars, The Bringer Of War』はあのホルストの『惑星』の火星の編曲版である。実はホルストはこの『惑星』にオーケストラの編成遵守から部分演奏の禁止まで詳細に定めていることで有名で、現在でも遺族によってその規定は守られている。と言うことでこの『火星』はホルストの遺族におそらく初めて許されたロック版の『火星』と言う事になるようで、そういう点でも意味のある作品ということになる。全英35位・全米23位を獲得したが、このメンバーの活動は極めて短く、再びキース・エマーソンとグレッグ・レイクは沈黙の時間を過ごすことになる。