1978年に山と渓谷社から出た単行本の文庫化。
女性として世界で初めてエヴェレストの登頂に成功した著者。そこに至るまでの苦労話をまとめたのが本書。
登山記としては、かなり独特の内容。本書の中心になっているのは、エヴェレスト遠征隊の仲間割れの話なのである。日本での準備作業中に派閥が出来て争ったり、登山隊長がエヴェレストを目前に突如として帰国してしまったり、アタック隊員を決めるときの泥沼の争い。どれもぞっとするような醜さだ。登山にはこうした裏の部分がつきまとうのが常なのだろうが、すさまじい。
包み隠さず書いてくれたことは貴重だと思うが・・。