エプソンの前身である諏訪精工舎の転機となったのは1964年の東京オリンピック。世界で初めて、クオーツ技術を使った計時システムを受注するとともに、計時結果を自動的に出力する装置を実用化した。これが、クオーツ腕時計とプリンターへと発展していった。土橋氏は最初に商品化したプリンター「EP-101」の「息子たちをどんどん送り出していこう」という思いで、「EPSON」というブランド名をつけた。国内で事業を拡大する一方、米国、欧州、アジアなど海外展開にも早くから取り組んだ。
著者は、エプソンにはエネルギッシュでどんどん突っ走る「挑戦」の文化と同時に、自社だけが栄えるのではなく、顧客、地域、国、地球と「共生」するという考え方が浸透していると分析する。挑戦と共生が矛盾なく、高レベルで両立していることがエプソンの成長につながったと結論づけている。
(日経ビジネス 2004/08/02 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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今回は対象企業が変わったことで新しい側面は感じられた。ただし、やはりインタビュー記事の領域を脱していないのが残念だった。テレビのプロジェクトX的に、ソニー、エプソンの過去を追うという趣旨はわかるのだが、書籍の持つ役割というものを根本的にもっと理解してほしかった。
つまり本の場合は書き手であるその著書だからこそできるというオリジナリティが必要だ。残念ながら二冊ともに著者のオリジナリティが全く存在していない。誰が調査しても同じであるような内容では、読み手としては物足りないし、この著者でなくてもいいということになる。
しかも一つ思うことは、この本のタイトルに「ソニー」とか「エプソン」という企業名が無くても作品として成り立つかどうかである。前作の「ソニーの・・・」はタイトルに「ソニー」が無ければ何の本かわからなかった。それに比べれば今回の本はまだましであるが、やはり「だからどうなんだ」と問いたくなる。
たしかにインタビュー本は、協力してくれた先方に気を遣わざるをえないとは思うが、過去の人のヨイショやマスターベーションを書かれては、今後のビジネスの参考にしたいと思って本を買った身としてはつらい。 ご一考されたし。
最近、中国脅威論が巷で喧伝されているが、1.労賃の安い工場、2.巨大な消費市場、3.企画やグローバル経営拠点、という3つの観点を80年代から明確に持っていたことには感心させられた。現在でも3番目の企画やグローバル経営拠点として中国を見つめる企業はほとんどないであろう。
土橋氏のようなリーダシップと明確な経営思想が企業にとっていかに大事か、ということである。
この本全体は東京オリンピック前後のプリンタ、クォーツの誕生から現在のエプソンに繋がる系譜をプロジェクトX的に書かれており、ベンチャースピリット溢れる物語としても楽しめる内容になっている。
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