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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
疫学はミステリーだ,
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レビュー対象商品: エピデミック (角川文庫) (文庫)
エピデミック:地域を越えた大規模伝染。更に国を越えて広がるとパンデミックとなる。罹患した病を治癒するのは医学の役割、病原体を特定しその性質を明らかにするのはウィルス学の役割だが、感染の経路を明らかにし病の広がりを抑えるのは疫学の役割である。 これは、そんな疫学を中心に据えた物語だ。 疫学の基本は非常に単純で、発症した人としなかった人の特徴を比較し、何が感染のリスクを上げるかを突き止める。必ずしも病原体が判明する必要もなく、例えば世界初の疫学による伝染源の特定は1852年イギリスの第三次コレラ流行に於いて、空気感染と思われたコレラの発生が家単位でまとまることに着目、特定水源が汚染源であることを突き止めたもので、これはコレラ菌が発見される30年も前の話であった。 疫学の理論は常に状況証拠からの演繹である。罹患者に多く非罹患者には少ない特徴を洗い出し、その比率から危険性を算定する。ミステリに例えれば、被害者の特徴から犯人が狙う人物像を炙り出したり犯行地域から犯人の生活圏を割り出したりといった推理である。ただし疫学では犯人の特定そのものには焦点を当てず、むしろプロファイル的に「こういう人物との接触を避けるように」「この地域には近寄らないように」といった形で、以降の犯行を予防することに主眼が置かれる。 どうだろう、実にミステリ的ではないか。伝染病小説というとまず破滅的な謎の感染症による人類滅亡の恐怖めいたものが描かれる中、冷静に病を追い詰める捜査官と各々の立場が織り成す群像劇を主軸に社会派ミステリ的に描くのはなかなか新鮮だ。 折しも新型インフルエンザのパンデミック渦中、流行病に対する心構えと防疫に対する理解の意味でも、一読をお薦めしたい。
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
もう少し緊迫感が欲しかった,
By ラーメン太郎 (埼玉県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: エピデミック (単行本)
未知の感染症と闘うサイエンスサスペンスということなのですがこの手の作品は、専門用語だらけで、予備知識がない人が読むと、 何のことだか分からないことも多いのですが、本作品は、その辺りの説明が かなり平易かつコンパクトにまとめられていて、非常に読みやすいです。 ただし、作品中でも説明されますが、疫学自体がかなり地味な作業を こつこつと積み上げていくという性格のものなので、主人公も、 “あっと驚く”ような推理をするわけでもなく、盛り上がりに欠けます。 さらに、物語中盤からサスペンスものにはつきものの、事件の鍵を握っていそうな 謎の人物が登場するのですが、期待させる割にはイマイチ... ということで、サイエンスを期待すると良いかもしれませんが サスペンスを期待すると肩すかしというのが、正直な感想でした。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
リアルさがあって怖いです,
By しろくま "しろちゃん" (茨城県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: エピデミック (単行本)
一言、怖いです。今、新型インフルエンザやウィルスの流行が懸念されているだけにそういう事が実際にあったら…こういう事になってしまうのだろうというリアルさがあり読んでいて怖かったです。文中にちょっと難しい医学用語があったりしましたが、先が気になってサラリと読めるたかも!?ケイトの母としての愛情の深さをグッと来るものがあります。そして、病原体の元栓が、そこいらに居るものだけに恐怖感があるお話に仕上がっていると思います。サラリとした文体だったので分厚いけれどもサクサクです。
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