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エピジェネティクス 操られる遺伝子
 
 

エピジェネティクス 操られる遺伝子 [単行本(ソフトカバー)]

リチャード・フランシス , 野中 香方子
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,520 通常配送無料 詳細
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エピジェネティクス 操られる遺伝子 + エピジェネティクス入門―三毛猫の模様はどう決まるのか (岩波科学ライブラリー)
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商品の説明

内容紹介

同じ遺伝子を持つ一卵性双生児でも、1人は遺伝性の病気を発病し、もう1人は健康であ
る。なぜこんなことが起こるのか。それは、遺伝子は同じでも、エピジェネティックに
は違いがあるからだ。エピジェネティックな違いはどうして発生するのか、本書は興味
深い実例を基に、その複雑なシステムを直観的に理解できるように説明している。

遺伝子はエピジェネティックに食べ物やストレス、環境、生活などの影響を受ける。そ
してその影響は、世代を超えて子供や孫までも遺伝するのである。

肥満児の母親は妊娠中に何を食べていたのか、戦争で受けた強いストレスの影響は子孫
にまで及ぶのか、ステロイド剤を乱用したメジャーリーガーの体内では何が起きていた
のか、子供への虐待やネグレクトが連鎖するのは遺伝子のせいなのか、ヒトはどうやっ
て卵子から完全な人間となるのか、まだ謎が多い遺伝子の作用について、人間の健康に
関わるエピジェネティクスの研究でわかってきたことを紹介する。

内容(「BOOK」データベースより)

なぜ同じ遺伝子を持つ一卵性双生児でも、1人は病気になり、もう一人は健康なのか?環境、食べ物、ストレス、社会、すべてが遺伝に影響し、子孫に遺伝していく…最新の遺伝子操作方法がついに明かされる。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 272ページ
  • 出版社: ダイヤモンド社 (2011/12/9)
  • ISBN-10: 4478015465
  • ISBN-13: 978-4478015469
  • 発売日: 2011/12/9
  • 商品の寸法: 21.3 x 15.1 x 1.9 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 36,303位 (本のベストセラーを見る)
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6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By iccinc
遺伝子は基本的な台本のようなもので、台詞の一部が変更されたり(メチル化)、役者の発声の仕方でまるで印象が違うように、DNA配列が同じ(双生児やクローン)でもその表現型は同じではないという話。
発ガンのメカニズムも巷間流布されている学説が必ずしも正しい訳ではないなど参考になる。
ガン細胞正常化に関するUCBerkleyのM.J.Bisselの研究は興味深い。
DNAの構造が解明されても、機能の全貌を理解することの難しさがわかる。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 エピジェネティクスについては、破壊する創造者―ウイルスがヒトを進化させたの後半部に優れた紹介があり、それを読んで興味を持った。「DNAが人間の(成長後の)複雑な構造を予めほぼ完全に保持し、それ(そのプログラム)に従い受精卵は成長して人になる」という考え方を“前成説”という。が、これでは了解出来ないような、後天的な作用で遺伝子発現の仕方が変わるといった機構の研究がこの十年くらいで急速に進み、(DNAも含まれる)細胞環境での相互作用が重要との認識が高まった。DNAが全てを司るのではなく、細胞環境での複雑な作用(ここではDNAは指示も受ける)こそが、受精卵を人に成長させるという見方で、“後成説(エピジェネシス)”といわれる。こうした研究領域が“エピジェネティクス”だ。

 本書の著者は後成説に立ち(そう明言している)、その記述は上述のライアンの著と内容的にかなり重複するのだが、主題としているだけ詳しさは(やや)勝る。遺伝子によらない、肥満とかストレスへの過敏さが遺伝すること。クローン猫の毛並みが全く似なくても不思議ではないこと。ラバとケッティ(ラバとは両親の雌雄が逆)で、体型や見た目が違う理由。ガン細胞が増殖したり消滅するメカニズム等々、興味を惹かれ、考えを誘われる話題は多い。みな、後成説を補強する事象だ。
 著者は、DNA主導(前成説)を示す『エグゼクティブDNA』という考え方に対し、『エグゼクティブ細胞』という言葉を提起する。細胞環境での複雑な相互作用こそが決定的に重要であるという、複雑系科学の考え方だ。だが、問題はある。この細胞環境は、なぜエグゼクティブであり得るのか、という謎だ(ここに、“神”が想定されてしまう可能性もあるのだという)。本書はそこへの解釈を何も示してくれないのだが、著者が言いたいのは、この領域が未だ発展途上ということなのであろう。

 長くなってしまったが、あと一つだけ触れたい。本書で特に興味深かったのは、幼児虐待の連鎖とか、胎児期や幼児期の母親の心的状態の重要性を、後成説で、謂わば生物学的に(細胞環境に生じた相互作用として)説こうとしている点だ。それが、(驚くことに)かなり説得的なのだ。
 前成説ならば、DNAで説こうとはしないだろう。ということは、前成説とは(自らは守備範囲を限定することで)、胎児・幼児の心的構造が別に措定され、心理学的・精神分析学的に心の構造の変容が捉えられることを、半ば必然的に要請する説であったのだ。やや視点を変えると、これは人間を他の生物から隔てる“特権化”(人間だけが特別な“心”を持つ)を結果として招いた。
 本書により、そこにふと気付いた。後成説は“心”の問題を縮減し、人間を特権化せず、他の生物と同じ地平で連続的に捉える。そう考えると、今後の進展がとても興味深い。
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