掲載雑誌の休刊で、書下ろしを加えて発行されたファンタジーの二巻め。作者はこの話で一気に化けた感がある。同人誌の時代から、「世界の中にいる人」の感情を描くことに長けていた作家だったが、この話ではキャラの設定がよかった。主人公の「銀符」使いとそのいわくつきの弟、二人を追う牧師という三人構成で話が進む2巻は、結構辛らつな話やら深刻なセリフやらを扱いながらそれを暗くしないセンスと、細かい動きのある絵で扱っていて、とにかくとってもおもしろい。人と人の気持ちとは「関係ない」悪魔との関係が、個人的に非常にいいなぁ!悪魔には負債とその返済しかない、という現実的な、そして冷徹な真実。最初の読みきり版も載っていて、なんだか得した気分になる1冊かもしれないと思う。