飯田哲也氏のしっかりした単著をずいぶん長いこと待っていたので、この本には期待をしていたが、その期待は裏切られなかった。自然エネルギー社会をこれからどうやって創っていくかという人類の課題に対して、技術面の考察、政治がそれをどう扱ってきたか、経済との関わり、反原発からはじまり経済的合理性に後押しされた爆発的な普及に至る流れまで、全てコンパクトにまとめていて大変勉強になる。文章も難しくない。白眉は、地域社会でそれを実現し、これからの日本社会の大きな道筋であろう"自治"と結びつけていくための方法についての記述に多くのページが割かれているところ。霞ヶ関や永田町との暗闘についても面白いし(ネガティブな意味で)、逆に後半はたいへん前向きな気持ちにさせられる。自然エネルギーについての世界の常識をひと通り把握し、自分たちの活動につなげていくのにとても良い本だった。