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エネルギー論争の盲点―天然ガスと分散化が日本を救う (NHK出版新書 356)
 
 

エネルギー論争の盲点―天然ガスと分散化が日本を救う (NHK出版新書 356) [新書]

石井 彰
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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エネルギー論争の盲点―天然ガスと分散化が日本を救う (NHK出版新書 356) + エネルギー進化論: 「第4の革命」が日本を変える (ちくま新書)
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商品の説明

内容紹介

反原発派も自称エネルギー評論家も
言わなかった「不都合な真実」とは

3・11後、にわかに高まる「原発廃絶」の声。しかし、コストが高く安定性の低い再生可能エネルギーで原発分のすべてを代替しようとすれば、間違いなく日本経済と消費社会は崩壊する。エネルギー供給の安定とCO2削減を両立するのは、天然ガスと資源分散型のスマートエネルギーネットワークだ。巷に溢れるにわかエネルギー評論家のウソを正し、エネルギー問題の本質を数字と歴史から説き起こす、真の専門家による啓発の書。

内容(「BOOK」データベースより)

3・11後、にわかに高まる原発廃絶の声。しかし、コストが高く安定性の低い再生可能エネルギーで原発を無理に代替すれば、日本経済の崩壊は免れない―。エネルギーの安定供給とCO2削減を両立するカギは、天然ガスと分散型のスマートエネルギーネットワーク。巷に溢れるエネルギー論争の陥穽を検証し、歴史とデータから問題の本質を説き起こす、本物のプロによる啓発の書。

登録情報

  • 新書: 224ページ
  • 出版社: NHK出版 (2011/7/7)
  • ISBN-10: 4140883561
  • ISBN-13: 978-4140883563
  • 発売日: 2011/7/7
  • 商品の寸法: 17.2 x 11.2 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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24 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
7月10日出版。昨日買って一気に読んでしまった。

まずは電力問題のみを論ずるのではなく、電力を含む全体のエネルギー論の観点から包括的に検討すべき点を主張している。(電力消費は全体の2-3割)

将来のエネルギー選択に関して。原発擁護派と再生可能エネルギー推進派で繰り広げられる白か黒かの議論にも警鐘をならす。筆者は現時点では、魔法の解決策はどこにもなく、幾分ベターな現実的な選択肢をもって、英語でいう「マドリングスルー(なんとかかんとか折り合いをつけていく)」方策をとるしかないと訴える。

そのカギとなるのが、天然ガスの積極的活用と、エネルギー源と地域の分散化、多様化である。副題「天然ガスと分散化が日本を救う」が内容を端的に示している。

天然ガスはコンバインドサイクル発電を使えば、CO2排出も少なく効率的に電力を取り出すことに期待が持てるという。(あとがきで、天然ガスにの肩を持ちすぎていると見られるかもしれないといわれるかもしれないが、中立的に書いたつもりであると断っている。)

太陽光発電、風力発電についても不都合な真実が存在する。これらへの過大な期待は現実的でない。むしろかつての原子力エネルギーに対する期待や信仰と瓜二つであるようだ。完全否定するわけではなく、これらのエネルギーも含めて分散すべきことを主張している。

天然ガスコンバインドサイクル発電、コジェネレーション、燃料電池、スマートグリッドについてはもう少し掘り下げて勉強してみたい。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By FreshAir 殿堂入りレビュアー トップ10レビュアー
福島第一原発の事故があったから、もうこれ以上原発への依存度を増やすのは難しいだろう。しかし、再生可能エネルギーはエネルギー密度が劣るため現在の日本のエネルギー需要を支えるようになるには技術革新が必要になり、残念ながら当面は主役になれない。ではどうするか、が本書のテーマである。著者はエネルギー問題を得意とするアナリスト。

著者の答えは天然ガスである。CO2排出量は石炭の半分で石油より30%も少ない。埋蔵量は多く、今後も採掘可能埋蔵量は増える可能性が高い。さらに、シェールガスという、従来とは異なって頁岩層から採取される天然ガスの採掘技術が確立されてきた。これは現在の天然ガスとは資源分布が異なっていて、特に北米大陸に大量にあることがわかっている。しかも、天然ガスは化学肥料の原料にもなるし、家庭用燃料電池向けにも利用できる。サハリンから直接パイプラインを敷くことが断念されたことを残念だとする指摘もある。東京とサハリンの距離を考えると、海外の常識ではLNGにして船で運ぶのではなくパイプラインで輸送する方が効率的だからだ。

適時さまざまなデータを示して論理的に説明を重ねている。特に、エネルギー産出量と投入量の比率に関する説明は優れている。末端の節電だけでなく発電効率を上げることの重要性や、コジェネレーションシステムをはじめとして多角的に天然ガスを活用する仕組みを提唱しており、単に資源→エネルギーという単純な図式にとどまらないマクロ的な視点から天然ガスを中心としたエネルギー問題への処方箋を具体的に示している。
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 仮面ライター VINE™ メンバー
Amazonが確認した購入
  
 当書は、本年(2011年)7月10日に上梓されたもので、まさにこの1ヵ月後に出版された『大転換する日本のエネルギー源』(アスキー新書)の言わば“原理論”と位置付けられよう。従って、前掲書との内容的な重複もあるのだが、本書では、エネルギーアナリストである石井彰氏の「エネルギー問題」に対するアプローチやスタンスなどが理解できる論考となっている。則ち、エネルギーと環境、経済、人口の関係について、人類史・文明史と物理的・生物的な基盤との関係から上向展開し、さらに「エネルギー産出/投入比率」や「エントロピー」といった概念も駆使しながら、「エネルギー論争」で見失いがちな問題の本質に肉薄している。はじめに、こうした石井氏の論述に関して、若干の異見を差し挟んでみたい。

 先ず、当著では「CO2(二酸化炭素)削減」をエネルギー問題のキーの一つに挙げている。だが、例えば本年7月25日に刊行された深井有氏(中央大学名誉教授)の『気候変動とエネルギー問題』(中公新書)によれば、温暖化の原因となる気候変動は「宇宙線」や「水の働き」なども影響を与えている、との最新の知見を示し、「地球温暖化防止のためのCO2削減キャンペーン」の欺瞞性を指摘、「京都議定書」(1997年)からの脱退すら説いている。そして何より、深井氏も述べるように「CO2温暖化主因説」が“チェルノブイリ”以降の「原発推進の隠れ蓑」(同書)となった可能性も否定できないのだ。石井氏のエネルギー源としての「原子力」に対する立場も「CO2排出削減」に重きを置き過ぎている嫌いがある。
   
 この原子力による発電(プラント)に関して、私は「安楽死」させるべきと考える。全国の原発や実験炉等を独立行政委員会たる「原子力管理委員会」(仮称)の下で一元的に“国家管理”し、「福一事故」の収束と他の原発の「廃炉」を早急に目指すべきでなかろうか。それはともかく、本書にある「従来型の石炭火力発電所」を「最新型の天然ガス・コンバインドサイクル発電所」に切り替え、天然ガスを活用したコジェネレーションを進め、風力発電等の再生可能エネルギーも「倫理的義務」として最低限導入し、「スマート・エネルギー・ネットワーク」を拡大すべきだろう。また、天然ガスを主力化するに当たって、一度は頓挫したロシア・サハリンとの「ガス・パイプライン」構想を復活し、調達先の多様化も図るべきだ。
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