ハリウッドに全然売れる映画を作れない、伝説の監督がいた、と言う話は聞いたことがありました。
これは、そのエド・ウッドという実在の監督のエピソードを、ちょっとすてきな物語風に変えた、物語映画、と言えると思います。
映画マニアと言うものは、自分の血を売ってでも映画を作るし(ロベルト・ロドリゲス)、どんなことをしてでも自分のイメージの役者を連れてきたり(タランティーノ)、金策と妥協の連続でも、とにかく映画製作を行なおうとするものです。彼も、そういう感じの映画マニアです。しかも、映画好きは吸血鬼ものが好きです。ポランスキーしかり、ロジェ・バディムしかり。
エド・ウッドは、しかし、現実には優しき理解者であった奥さんに暴力もふるったし、監督が出来なくなってからは、ホラーの脚本家となり、死霊の盆踊り、などの、どうにも取り付く島のないことで有名な映画のシナリオを書いたりして、アルコールにもおぼれていったみたいです。
でも、ティム・バートンの映画は、いつも希望を失わない、ある意味能天気なエドを、ジョニー・デップに演じさせて、そこに、エルバイラのマリーとか、ベラ・ルゴシのマーティン・ランドーとか、ほかにもすごい人たちを配してマニアックな映画を作ってくれています。
映画好きにはたまらない、伝説のガラクタ映画がどんな風につくられたか、を描いて見せてくれます。
音楽も、役者も、筋書きも・・・そして、まだ本当に落ちぶれてしまう前で、話を終わっているところも・・・なんか、とても癒される映画です。私は、ペットの猫をなくしたとき1週間見続けて、大変慰められました。
本当のエドの奥さんは、この映画を撮っている、女装したジョニー・デップが、髪を乱した格好で撮影所を歩いていたとき、ばったりと出合って、まあ!エドにそっくり!!!といって、笑い転げた、といいます。なんて素敵な奥さんでしょう。エド・ウッド、なかなかイケメンだったのです。
超成功した監督、ティム・バートンが、エド・ウッドについて映画をとる、というのも、なんとなく皮肉ではありますが。でも、鬼才ティム・バートンには、エド・ウッドの気持ちは理解できるはずです。
ただ、見ていて、エド・ウッド、成功する訳ない、と思いました・・・なんでも何か作るには、細部までこだわる、ということは必要なのです。彼は余りにも適当に映画をつくっていましたもの・・・笑