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エデンの東〈1〉 (ハヤカワ文庫NV)
 
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エデンの東〈1〉 (ハヤカワ文庫NV) [文庫]

ジョン スタインベック , John Steinbeck , 野崎 孝
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

美しくも厳しい大自然の営みが繰り返されるカリフォルニア州サリーナス。アダム・トラスクは、新生活を求めてこの地を訪れた。安寧な静穏を願いながらも、頑迷な父によって軍隊生活を強いられた彼は、除隊後も漫然と日々を送っていた。そんな折り、美貌の女性キャシーとめぐり合い、連れ立って新たな人生を踏み出す決意を固めるのだが…。南北戦争から第一次世界大戦までを背景に、人間に善悪、愛憎の葛藤を描く感動作。

登録情報

  • 文庫: 276ページ
  • 出版社: 早川書房 (1984/01)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4150400016
  • ISBN-13: 978-4150400019
  • 発売日: 1984/01
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 174,396位 (本のベストセラーを見る)
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By
スタインベックの描いた唯一の東洋人であり、私の1番好きなキャラクターでもある。「料理のできる哲学者」「思索する料理人」と形容され、達観した人物のように描かれるが、リーはとても人間くさい。長年の夢だった「小さな自分の本屋」を持つために家を出た彼は、家族が恋しくて帰ってきてしまう。召使としてではなく、初めて心の通い合った友人には、彼の東洋人的平静さもどこかへ行ってしまうのだ。

『エデンの東』は、カインとアベルの物語が基調になっている。話に興味を持ったリーは、『欽定訳聖書』『米国標準訳聖書』を調べ、ついには原典を読むためにヘブライ語を学ぶ。そして「創世記」第4章16節に「ティムシェル」という動詞を見つける。その意味は「汝、意思あらば、可能ならん」。つまり人間の罪の克服は、神によって約束されているものでも、命令されるものでもなく、人間の自由意思によるという。道は開かれ、選択は人間に与えられている。これはもっとも辛い方法かもしれない。自由意思は自己責任を伴うのだから。

映画にはリーが登場しないのがとっても残念。

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エデン 2004/7/16
 この世に楽園なんてものは、在りはしない。また、完璧な人間なんてものは存在しない。
 楽園「エデンの園」を創ろうとした「純粋な人間の象徴」アダムは、「人間の罪の象徴」妻キャシーによって心身両方に深い傷を負った。

 彼の息子アロンは父に似て純粋であり、誰からも好かれていたが、双子の弟キャルによって知らされた母親の秘密の衝撃に耐えることはできなかった。
 それに対し、兄や父には似ず母キャシーに似たキャルは自分が「罪深い人間」だと自覚し、苦しみはするものの、必死に生きていこうとする。

 世界中の人間は皆「キャル」なのだろう。完璧でない、それどころか罪深い自分にに対し、苦しみながらも必死に生きている。
 アダムやアロンのような人間は、世の中を生きてゆくことはできない。その純粋さゆえに。

 アロンに秘密を漏らし嘆き悲しむキャルに対してアダムが「ティムシェル」(汝、意思あらば、可能ならん)と答えたのに作者に言いたかったことのすべてが込められているのだろう。

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3 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
ジェームス・ディーンがキャルを演じたあの映画は、後半のごく一部です。原作はキャルのおじいさんの代から始まります。
キリスト世界における善と悪の対比が何度も象徴的に出てきます。
アダムの父(悪)と母(善)、アダム(善)と兄チャールズ(悪)、アダム(善)と妻キャシー(極悪)、
そしてアロン(善)とキャル(悪)。また、善悪入り混じる強烈な出生のエピソードをもつのは、登場人物の中で唯一東洋人のリー。
しかし作者は「悪を克服する勇気の無い善は、弱さにすぎない」とでも言っているようです。
そして、人はその人生を、悩み苦しみながら自分で選び取っていくのだと。
脆弱なアロンは滅びてしまったけれど、罪を犯し後悔の涙にくれるキャルには希望があり、未来があるのです。
キャル達の母キャシーの極悪ぶりが強烈。キャシーのエピソードだけでも、原作を読む価値がありますよ。
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