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『エデンの東』は、カインとアベルの物語が基調になっている。話に興味を持ったリーは、『欽定訳聖書』『米国標準訳聖書』を調べ、ついには原典を読むためにヘブライ語を学ぶ。そして「創世記」第4章16節に「ティムシェル」という動詞を見つける。その意味は「汝、意思あらば、可能ならん」。つまり人間の罪の克服は、神によって約束されているものでも、命令されるものでもなく、人間の自由意思によるという。道は開かれ、選択は人間に与えられている。これはもっとも辛い方法かもしれない。自由意思は自己責任を伴うのだから。
映画にはリーが登場しないのがとっても残念。
彼の息子アロンは父に似て純粋であり、誰からも好かれていたが、双子の弟キャルによって知らされた母親の秘密の衝撃に耐えることはできなかった。
それに対し、兄や父には似ず母キャシーに似たキャルは自分が「罪深い人間」だと自覚し、苦しみはするものの、必死に生きていこうとする。
世界中の人間は皆「キャル」なのだろう。完璧でない、それどころか罪深い自分にに対し、苦しみながらも必死に生きている。
アダムやアロンのような人間は、世の中を生きてゆくことはできない。その純粋さゆえに。
アロンに秘密を漏らし嘆き悲しむキャルに対してアダムが「ティムシェル」(汝、意思あらば、可能ならん)と答えたのに作者に言いたかったことのすべてが込められているのだろう。
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