心理検査は施行するだけではなくて、それを解釈し、レポートにまとめるという作業を
する必要がある。心理検査からはじき出された数値を見て、それが何を意味するのかを
読み取り、読み手に分かりやすくレポートを書かねばならない。施行するだけならある
程度マニュアルを読めばできるのだが、解釈やレポートにまとめるということは意外と
熟練の技が必要になってくる。本書はそうした心理検査のレポートをまとめるという作
業をどのようにしていけば良いのかについて分かりやすく、コンパクトに記載されてい
る。
本書ではレポートに記載する事項を、相談内容・背景情報・行動観察・検査結果・解釈
・診断(見立て)・要約・指針といった8項目挙げており、それぞれについてかなりつ
っこんで説明している。最後に4つの事例を挙げて具体的にレポートの書き方を示して
いる。
ただ、本書で取り上げられている心理検査は、子どもの知能検査や発達検査に限定され
ており、人格検査などについてはほとんど触れられていないのが少し物足りないところ
かもしれない。また、日本では使われていない心理検査などが取り上げられているので
、結果やレポートのところどころで分からないところもあった。
さらに、本書ではレポートは「コンパクトに」という心構えが書かれていたが、本書に
載せられていたレポート例文などは、かなりの分量のものであり、読むだけでも大変な
印象を受けた。もちろん、分量があるだけに、詳細で事細かく説明されているので、じ
っくりと読めばとても役立つレポートなのだろうと思うが。
僕は主に病院などで心理アセスメントのレポートを書くが、読み手である医師やPSW
、看護師は結構忙しくしており、その中でこれだけの分量を読んではくれない。僕の場
合はだいたい1000文字以内でA4用紙1ページの中に収まるようにしている。