失恋を、ふられる側として経験した人はわかると思うんだけど、以前自分の方を向いていた恋人の気持ちがもう自分を向いていないということを悟るのは、それはもう本当に苦しいことで。
その人のことが世界で一番好きだとか本気で考えていた場合、その苦しみは、ちょっと堪えがたいものになるわけで。
そんなときに半ばやけくそにな気分で、思い出の品を壊したり燃やしたりして、そしたら余計に悲しくなって、どうしようもなくなってただ泣くだけ、みたいな経験をした人・・・。
みんな同じだと思います。
主人公が記憶を消去されながら、途中で堪えられなくなって「やめてくれ!」と叫ぶ姿に、みんな思わず自分を重ね合わせて、瞳をウルウルさせたに違いない。
そして、抵抗虚しく全ての記憶が消されてしまった後、魔法のように再び引き寄せられていく二人。
全て失くして、全部壊して、何もなくなった後に、もう一度あの人と、以前と同じ気持ちで向かい合って、笑いあうことができたなら・・・。
我々はそれを、どんなに強く、どれだけ繰り返し、願うことか。
まあ普通、その願いがかなうことはなくて、ただ時間だけが傷を癒すわけだけど、この映画の二人はそんな傷ついた我々の過去のかわりに、「それでもいいよ」とお互いを再び恋人と認め合う姿を見せてくれます。
うまくいかなかった恋愛の痛みを知ってる人なら、これは泣かずにはおれないと思います。