なぜか文庫版・全集版両方のレビューが混ざって表示されていて困りますが、ここではコロコロ文庫版について書きます。
藤子F氏の他作は単行本未収録作品が多くありますが、『魔美』は全ての話が、ずっと単行本から出され続けているので、文庫版も内容に基本的な違いはありません。
全集版にはカラー絵などがそのまま収録されていますが、そこまでほしくない通常の読者には、文庫版で十分だと思います。
初版、てんコミ版では全9巻だったものが、6巻に収録されています。
カバー絵は扉絵を元に、F氏が後に描きおろしたものです。初期の絵を元にしていても、コンポコの鼻が丸いなど、後のタッチが表れています。
アニメと違いコンポコがタヌキ色ではなく、レモン色(キツネ色)なのにも、こだわりが感じられます。
(全集版カバー絵の彩色はF氏ではないようです)
久しぶりに読み直しましたが、ホームレス(に扮した社長)に「じつにおどろくべき・・・いや、おそれいった・・・」とまで言わせる、魔美のおせっかいぶりには、この生き馬の目を抜くご時世、ホロリと来るものがあります。
もっとも、魔美の家庭について、「バブル以前の古き良き日本の庶民」といった風に書いている人もいますが、1970-80年代初頭では、魔美の家庭(父が教師、母が新聞記者)は東京の中の上〜上流の豊かさで、日本人の多くがあのくらいの生活水準に達したのはやっと、あの憎むべきバブルの少し前であることは、留意しておいた方がよいです。
(実はのび太の家も、当時としては結構裕福です)
それにしても、児ポ法が制定されたら、こんな無害な漫画を、ただ持っているだけで捕まってしまうのでしょうか・・・