読んでいて思わずつっこみました。「アンジャッシュのネタじゃないか」と。褒め言葉ではありません。
もちろん芸人としての個性を小説に盛り込むのは良いことですが、この本は彼らのネタを無理に小説もどきに押し広げただけ。
特に一、二章は空き巣という設定から展開まで昔エンタの神様でやっていたコントのほぼ完全なコピーだったので、まるっきり先読みできてしまいました。「コント職人としての技術を全て注ぎ込んだ」と言われても、既に公の場で披露したネタをそのまま流用するのはちょっとせこすぎやしないかと思います。アンジャッシュのファンだとしたら、尚のこと先が読めない方がどうかしていると思いますが。
第三章は、特に最初の方が少し予想し難かったのでそこだけがちょっとだけ救いか。
最後だって特に深いことは感じさせられないし、小説で「何かを伝えたい・訴えたい」のではなく「壮大なネタを見せたい」だけだったのではないかいう印象でした。
「自分たちのコントをそのまま小説にした、そこが面白い」という意見もありそうですが、そういうのにはちょっと賛同できません。芸人小説でもとても重みのある題材を持っていたり、感動的な結末をつけたりという本はたくさんあるのだから、それらと比べるとちょっと馬鹿にしているように思えます。
彼らのネタとしては笑ってしまったので若干まけますが、設定や表現も拙劣な箇所が多く、小説として評価できる代物ではありません。映画化はありえない。