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エスケイプ/アブセント (新潮文庫)
 
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エスケイプ/アブセント (新潮文庫) [文庫]

絲山 秋子
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

闘争と潜伏に明け暮れ、気がついたら二十年。活動家のおれも今や40歳。長い悪夢からようやく目覚めるが、まだ人生はたっぷり残っている。導かれるように向った京都で、おれは怪しげな神父・バンジャマンと出会い、長屋の教会に居候をはじめた。信じられるものは何もない。あるのは小さな自由だけ。あいつの不在を探しながら、おれは必死に生きてみる。共に響きあう二編を収めた傑作。

内容(「MARC」データベースより)

闘争と潜伏にあけくれ、20年を棒に振った「おれ」。だが人生は、まだたっぷりと残っている-。いつわりと挫折の日々にこそ宿る人生の真実。気鋭の作家のみごとな深化を示す、響きあう2篇の「双子」小説。 --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 153ページ
  • 出版社: 新潮社 (2009/12/24)
  • ISBN-10: 4101304521
  • ISBN-13: 978-4101304526
  • 発売日: 2009/12/24
  • 商品の寸法: 15.4 x 10.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
絲山秋子の小説の主人公は<アレ〜、こんな人生でこの人これからどうなっちゃうんだろ〜>と絶えず思わせる人ばかりだ。

今回は極めつけでセクトに深入りして20年間地下活動をしていた40代ホモが組織を抜けて京都旅行をする話である。

ああ、どうなっちゃうんだろ〜!

こういう人には近づきたくないが、話は聴きたい。

イトヤマの小説が、現代純文学ハードードカバー、しかも薄っ!でも売れるのはどうやらここいらの<聴きたいけど近づきたくない人の話>を巧い筆致で描くからであろう。

すると実に現代的な話に聴こえるが、マルキシズムとキリスト教が主題であり、それに裏切りと偽物という逆説的な切り込みがあり、なおかつ主人公の目的が失踪した双子の兄を捜すことなので、案外古典のような物語が展開する。

それを古臭く感じないのは語り口がラノベ以上になめらかだからだろう。

そういう古典への視座も併録「アブセント」でブチ壊しにするから実にぬかりの無い作家である。
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 66年生れの活動家、というのがぴんと来ないんだけど(66年生れはぴんとくるけど)、主人公「おれ」の遅れてきた活動家としての理想と挫折は、さして追求されない。描かれているのは、全てを失っても生きていかなくてはならない「おれ」の今、ここ、だ。“四十まで生きるなんて想像できなかった”「おれ」は何も起こせなかったまま組織を出る。「おれ」にとってこれからの人生は「余生」で、持っているのはカバンに入るだけの荷物のみ。

 その「おれ」が、妹を頼って仕事を始める前の、一週間の無為の日々が、なぜか無性にいとおしい。ふと大阪行きの夜行電車に乗って、京都で降りた「おれ」。そこでのニセ神父(しかもニセフランス人!)との出会い、教会、銭湯、卓球場、お好み焼き屋、床屋。どのシーンも、鮮やかに行間に浮かび上がる。

 二十年前から聴きたかったレコードをついに聴いたが、つまらなかったり、全てのものがまるで末期の目に映るようにクリアに見えながら、やはりどこかで神にすがりたいとも思っていて、“悪いな、おれは必死だよ。でも必死って祈ることに少しは似てないか。もしもあんたが信用に値するなら、おれにだって頼みたいことはある。でもそれがわかんねーから、ぐだぐだ言ってるだけだ”と祈ってみたり。……結局のところ、全てを失った「おれ」と、読者の自分にさして差異はない。自分も所詮は「余生」を生きているのだと、ふと思わされる。自由でいて不自由。そして信じるものがないからぐだぐだ言うだけなのだ……

 比叡山から琵琶湖を望むラストシーンが絶妙。せつない。ばかばかしい。やるせない。でも「おれ」には、やるせなさに寄り沿う「読者」がいる。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Dolly the Cat トップ50レビュアー
形式:単行本
「エスケイプ」と題された一話目。何からのエスケイプなのか、「おれ」は誰で何を語ろうとしているのか? なかなかつかめなくて、不安にあおられながら読み進めた。女性なのに、あいかわらず「おれ」による語りも自然な感じ。そして、おや、というところで一話目が終わり、「アブセント」でなるほどの種明かし。

長いからっていいものでは全然ない。でも、家族の絆という普遍的なテーマで落すならばなおさら、アナクロニズムの感が否めないことに関わっている「おれ」を、もう少しつっこんで書いてほしかった気がする。
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闇の部分も知りたかった
セクト活動から足を洗った主人公を使っておちゃらけてみせた小説で、
「おれ」の一人称語りで読みやすく、面白いです。... 続きを読む
投稿日: 9か月前 投稿者: りぃ
リズムと文体と
私も今年40歳。絲山秋子さんの「エスケイプ/アブセント」は40歳にして活動家から足をあらった主人公の物語。男の40歳は厄年ですね。... 続きを読む
投稿日: 2010/2/4 投稿者: hiraku
爆笑
ここまで笑いながら読めたのは、主人公の馬鹿馬鹿しいほど緩い語り口と、周りの人々の暖かさのせいでしょう。... 続きを読む
投稿日: 2010/1/5 投稿者: ぐう太郎
相対化、の果てには別になんにもないわけで。
大体自分は前からウザいウザいと思っていたのよ。価値の相対化の果てに、自堕落な自分しかないことを発見したつもりで、そんなのは最初から気づいていましたよと開き直ってみ... 続きを読む
投稿日: 2008/11/25 投稿者: 俊也
さあ、はんなりやろうぜ
仙台、東京から京都、そして福岡。親しみのある場所が出てくる。... 続きを読む
投稿日: 2007/12/7 投稿者: 香桑
純粋すぎて大人になりきれない人たちへ
なんで、大人ってドライでソリッドじゃないのかな。
なんで生なんだろう。何でやわらかくてぬるついていてくさいのだろう。... 続きを読む
投稿日: 2007/11/8 投稿者: tao
1966年生まれで過激派って設定で、フラットに作品を読めない
... 続きを読む
投稿日: 2007/10/21 投稿者: 盥アットマーク
絲山作品としては
普通ですが、この短さで与える深さを考えると効果として素晴らしい短さと言えるのではないでしょうか?... 続きを読む
投稿日: 2007/5/30 投稿者: cobo
絶対的価値の不在感
... 続きを読む
投稿日: 2007/3/14 投稿者: くわもちじんぺい
道程半ばで、暫し立ち尽くす兄と弟、それぞれの物語
大大大好きな絲山秋子さんの新作。

彼女の作品にはいくつか系統があって、... 続きを読む
投稿日: 2007/2/22 投稿者: うろ
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