スポールストラは過去、数々の有力スポーツチームのコンサルタントを務めた米スポーツビジネス界の伝説のマーケター。さまざまな成功のエピソードがあるなかで、最も有名なのは3年間社長を務めたニュージャージー・ネッツの例であろう。彼は、NBA(全米バスケットボール協会)で観客動員数最下位だったネッツを、売上高500%増、27球団中チケット収入伸び率1位にまで導いた。
本書では、数々のスポーツビジネスを成功に導いたその具体的な仕掛けと広告キャンペーン、およびスポールストラのマーケティング哲学が紹介されている。スポールストラのマーケティング手法は「常識破り」といわれているが、実際にその全容を知ると、実はマーケティングの基本に忠実であることがわかる。にもかかわらず多くのマーケターが彼と同じ手法を取れないのは、彼が言うところの「常識破りのマーケティング」が「政治的な観点からは正しくな」く、かつ「無難なマーケティングとは正反対」だからなのだろう。つまり本書は一見奇抜な印象を受けるが、実はマーケターが陥りがちなわなを指摘し、原点に立ち返らせてくれる本なのだといえる。
企業のマーケターはもちろん、マーケティング思考を身につけたいすべての人におすすめしたいビジネス読み物である。(土井英司)
登録情報
|
前作は、常識破りのマーケティングの意義やポイント、プロセスに重点をおいていた。はじめてふれる者にとっては驚きと疑いの両方をいだくような考え方だ。
そして今作ではそれを踏まえて、常識破りの広告、その効果や意義に焦点があてられている。たとえば「費用一ドルにつき四ドルの売上げ」というレシオ、「ブランドを高めるとともに、今スグ買いたくなる」ことをねらう広告である。
もちろん前作と重複するエピソードや議論、ポイントとなる考え方も多い。けれど著者の考え方が好きな人や、前作から何かを学べた人にとっては、謙虚に耳を傾ければ、さらなる刺激を受けることができる良書と思う。
商品力と販売力はまったく違うということを、米スポーツマーケティングの伝説の男スポールストラ氏はわかりやすく教えてくれる。どんなに不利な場面でも、どんなに不利な時代でも、頭を使えば、必ず「売れる」マーケティングができる。優れたマーケターであれば、商品力のみに頼っている企業には流行などの波の影響を受けやすいが、商品力はなくともマーケティング力で売っている企業はそれらに関係なく安定感があることを知っているはずだ。本書はそういったことを直感でわかるように教えてくれる。
何よりもわかりやすい例は、スポールストラ氏が3年間社長を務めたニュージャージー・ネッツだ。NBA(全米バスケットボール協会)で観客動員数最下位だったネッツを、スポールストラ氏がマーケティング担当に就任するや、”弱い”という成績はそのままなのに、売上高500%増、27球団中チケット収入伸び率1位にまで導いたのは今でも語り草だ。
何より読んでいて楽しいのは、氏のプロモーションのアイデアだ。その仕掛けや広告キャンペーンの内容を呼んでいるだけで、家族と一緒に出かけたいような楽しい気分になる。
マーケティング的に見れば、まったく「常識破り」どころか常道をきちんと押さえたアプローチだが、このアイデア力はまさに型破りだ。
翻訳も読みやすく、マーケティング関係者だけでなくとも、刺激的なビジネス書をお探しの方にはおすすめの一冊。
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|
|