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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
パラダイムシフト?,
By kidd (japan) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: エコロジカルな心の哲学―ギブソンの実在論から (双書エニグマ) (単行本)
心は独立に存在することはない。心とは過程が構造化されてあるところのものらしい。ギブソンのアフォーダンスの概念を軸に認識論のパラダイムシフトを迫る。文章として、読みやすいので難しいとは思わないだろうが、現象学的な視点を知らない人は結構面食らうかも。思考するとは、書かれたものとの相互交渉であり、独立に紙とペンなしで考えることはできないとするところに共感した。あまりにも、射程が広いので想像力を刺激されます。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
直接知覚、行為としての世界過程存在,
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レビュー対象商品: エコロジカルな心の哲学―ギブソンの実在論から (双書エニグマ) (単行本)
ギブソンの直接知覚論はプラトン、デカルト、ニュートン由来の世界を物理的世界と内的世界に二分する二元論の否定にある。間接知覚論は、心を想定し脳に連合、推論、解釈、カテゴリー化、観念(概念)、記憶、計算、記号処理等の役割を与える。 ギブソンにとっては、それらは本来「環境」に実在しているのであり心(主体)など心理的媒介は不要のものである。 脳には、認知的記号処理過程など存在しない。それは、内的世界を持たない人間以外の生き物を見れば自ずから然りである。 「知覚」とは、「注意」でありそして、直接知覚することができる「行為」である。 入れ子状に統合された身体の機能構造である知覚系により知覚対象の特定化、差異化を行う。 具体的には、不変項(「知覚」の動きに連動することなく、ほかの特性が変化しているなかでも変化せず同一であり続ける高次特性。知覚者にはコントロールできない。)と変化項を区別していく。 「環境」の配置が対象や事象を特徴づけるのは不変項の方であり、その抽出過程である。 「環境」には、既に一定の構造を持った事物が客観的に存在している。そこは、情報の海である。 そこには、時間構造、空間構造もあり何よりも始めから持続性を持っている。そして、過去と現在の区別がない。 知覚世界(環境)をスナップショットの連続みたいに捉えれば、過去は記憶に保存されていなければ既に存在していないことになるだろう。 けれども、「知覚」に記憶は必要でない。 「知覚」とは、「環境」に「注意」を向ける「行為」であり、「知覚行為」が情報に共調することにより鋭敏となり的確さを増すことによって、よりよく情報を弁別出来るようになるのである。 脳が知覚世界を構成するという発想は要らない。脳は、弁別器(環境の走査)であり「知覚」するシステムの作動や調整に係っている。 「知る」ということは、内面に世界モデルを作り出すことではなく世界(身体も含まれる環境)との関係性を調整することである。 長くなるので第一章のみに止める。十数年前、ギブソンを読んだときは成る程とは思えなかったがこのように認識論(知覚論)、存在論、行為論、自己論として整理し生態学的立場の哲学として提示されると非常に見晴しが良くなり実によく腑に落ちる。大森荘蔵、華厳、道元とも通底するところがあり猛暑の中で爽快であった。著者の今後に期待する。
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