ノーベル賞受賞の経済学者、スティグリッツ教授らによる現状のグローバリズム批判を、グローバリズムを実際に推進した仕掛け人の側から裏付ける内容。ただ、世界銀行などが発展途上国で実施している巨大開発プロジェクトについて、先進国の多くの人が「その国の発展のために必要な、その国の国民のためにやってあげているプロジェクトだ」と信じ込んでいるとしたら、いくら「私は途上国に対し、言葉巧みに必要以上の過大な開発プロジェクトを押しつけ、負債でがんじがらめにして食い物にする『エコノミック・ヒットマン』だった」と大声で「告白」しても、なかなか説得力を持たないだろう。著者が、食い物にされた途上国の国民の痛みを先進国の市民も理解してもらい、本当にこの状況を変えたい、と願うなら、発展の予想をどれだけ膨らまし、それによってどれだけ不要な負債が追加されたのかの、具体的な事例についての推計や、発電所建設に向けた電力需要の推計とその後の実際の需要との比較など、数字に語らせる客観的で説得力のある「告発」が必要なのではないか。続編に期待したい。