日本経済の歴史を振り返る本はあるが、エコノミストの活動を振り返る本はあまりない。思わず「へェー」と思ってしまうこぼれ話もある。日本経済の歩みという観点からは、円高問題や第一次石油ショックの記述がおもしろい。今の経済情勢にも当てはまるところがあり、勉強になる。バブル崩壊を予想していた銀行エコノミストがいたことも興味深い。自伝風なので話が散漫という印象を受けるかもしれないが、歴史的観点からの分析に興味がある人には、おもしろい1冊。それにしても、コンマ以下の経済効果の計算をしている今のエコノミストは昔に比べてスケールがなんと小さいことか。竹内氏もマスコミで活躍したエコノミストだが、マスコミとマーケットに魂を売り渡したような今のエコノミストをどう思っているのだろうか。