エコな車の基本は、軽く、小さく、動力とのバランスがとれている車という基本を強調しつつ、ハイブリッドだからといってエコなのではないということを判り易く説明してくれています。
私自身、重く、レアアースなどを多く使うハイブリッド車、しかもプリウスのような小さくない車が、資源の採取・精製、製造から廃棄・リサイクルまでのライフサイクルで考えて地球環境レベルで観て本当にエコなのか疑問を持っていましたので我が意を得たりでした。
ハイブリッド、ターボ付きダウンサイジングエンジン、スカイアクティブ、クリーンディーゼル、EVのエコ手法の各々の長所と欠点を明らかにしてくれます。また、欧州でハイブリッド車が普及しない理由もよくわかります。
但し、その上で「燃費」に限ったレベルでのエコでは、ハイブリッド車はオーナーの性格や使い方によっては実際に価値があり、驚異的な燃費になることもあることや、「燃費にはまる」楽しさもあるなど、ハイブリッドを否定した内容にはなっていません。
ハイブリッド車のオーナーであっても、客観的に車のエコとはどういうことかを気分を害することなく理解し楽しみながら読むことができると思われる内容です。
輸入車を含むエコカーの比較も、5年、10年所有時のコストの他、著者の試乗による乗り心地や操作性、その車のターゲットや設計思想を短い文章や資料の中に織り込みながら、良い点と駄目な点が明快に記されており判り易い解説です。
ある意味「まがいだらけのクルマ選び エコカー版」と言えるような内容で、この本を読めば「エコカー」のエコの意味を取り違えてクルマ選びをすることは無くなるでしょう。
なお、私自身はVWのPOLO1.2TSIのオーナーですが、この車の良さとして「クルマのしっかり感や、「走る、曲がる、止まる」の性能です。」と記されているのは、まさに実感として感じています。もともとドライブを楽しむ方ではなかったのですが、POLOは乗り心地が良く、ステアリングが軽くて素直、ブレーキにも癖が無く、加速力もあり(加速はハイブリッド車を含む国産コンパクトカーより格段に早い)高速や幹線での合流や車線変更も楽で、運転が楽しいという感じを味わっています。(総じて、以前に乗っていた古いベンツEクラスより快適な車と感じています)
POLOに限らず、運転性能の良い車はその旨を記されていますので、「エコもよいけど、運転を楽しみたい。」という方の車選びにも参考になる書籍です。
残念な点としては、車の安全性能や安全装備についての記載が無い点です。
POLOの良さとして、日本のコンパクトカーではオプション若しくは装備不可の安全装備が標準装備となっていることと、日欧の衝突安全テストでともに最高ランクにあることがあります。
POLOに限らず、VW、ベンツ、BMWのドイツ車はコンパクトカーでも安全性能については妥協しないというポリシーを見て取ることができ、それが大きな魅力になっています。
安全性能や安全装備に触れられていなかったので、星一つ減じて星4つにしました。