何しろ役者たちがふるっている。アンソニー・ウォン、フランシス・ン、ロイ・チョン、ラム・シュ、ニック・チョンの5人は、これまで数多くの香港映画に出演してきた名脇役である。(日本公開作品には)彼らの名を冠した主演作などなくても、多くの作品で強烈な印象を残している。香港映画ファンならば知らない者はいないであろうこの5人がチームを組んで面白くならないはずがない。しかも、彼らの敵役となるボスを演じるのがサイモン・ヤム。「もう堪忍して!」と許しを乞いたくなるほどしびれるキャストだ。
香港ノワールの金字塔「男たちの挽歌」が後代の作品に与えた影響は大きく、ニヤリとさせる場面が何カ所かある。二丁拳銃や白い鳩こそ飛ばないものの、至近距離での銃撃戦が展開され、コートが必要な季節にも思えないのに、この作品の「男たち」もサングラスにロングコートである。「男たちの挽歌」でティ・ロンが大復活を遂げ、ケネス・ツァンやディーン・セキが渋い役柄を好演したように、若くなくても、美男子じゃなくても、カッコいいものはカッコいいのだ。
「インファナル・アフェア」などの印象から、アンソニー・ウォンがサイモン・ヤムの手下という設定に首をひねったのだが、実際はサイモン・ヤムの方が年上だった。「インファナル・アフェア」のエリック・ツァンもそうだが、敵役がいいと物語も盛り上がる。女性にウケないと言うわけではないだろうが、まさに「男の男による男のための」映画である。