駄作と言われているこの「エクソシスト2:異端者」は前作とは切り離して別モノとして観るのが正しい観方だと思います。タッチも全く違いますし、ジョン・ブアマン監督の色がかなり強いです。確かにすごい特撮もなければ、妙な表現も多いです。ホラー映画を求めるなら、確かに「つまらない」の一言で片付けられても仕方がありません。しかし、この映画が多くのクリエイターや芸術家たちから愛されている理由は、ちゃんと存在するのです。このDVDにはオプションで英語字幕も入っているので、原語で観てみたのですが、日本語字幕では気付かなかった場面(感情)がいくつかありました・・・4年間も密かに悪夢と戦い続けていたリーガンがラモント神父が現われるのを待っていたということ、そして悪魔の存在など架空のものだとし世界が認めていない中での孤独の戦い。神を肯定するためには悪魔の存在も肯定しなければならない・・・そのために神父は悪魔の力を借りてしまうという葛藤。この映画ではゲロ吐きませんし首も回りません。そしてブアマンはスピルバーグのような監督でも無いですが、どんな見栄えであろうと正面から取り組んでいる姿勢に好感が持てます。エクソシストの続編への出演を迷っていたリンダ・ブレアやマックス・フォン・シドーも「脚本が面白かったので出演する気にさせられた」とインタビューで答えていたように、とても味のある作品だと思います。これを「駄作」と思うのは各人の感じ方なので仕方ないかもしれませんが、自分が「理解出来ていないだけ」と一度疑問を持ってみると良いかもしれません。『戦場の小さな天使たち』(アカデミー賞ノミネートおよび東京国際映画祭祭優秀芸術貢献賞)のジョン・ブアマンが、なぜこのような表現をしたのか、それは素人でも解るような事に気付かなかった単なるミスなのか?と疑問を持つ事で、この作品の深さを知るきっかけとなると思います。映像化は不可能と思われていたウイリアム・グッドハートの原作をジョン・ブアマンが見事に独自の技法で映像化した傑作だと私は思います。このDVDは劇場版とは異なります。ワーナーの意志で、劇場版でいかに大事な部分がカットされ、余計なものが付け加えられたかよく解ります。前作からのグロいシーンなどわざわざ切り貼りでくっつける必要など無かったのですが、怖いもの見たさで劇場に行った人がそれが無ければ納得しないと映画会社側は思ったのでしょう。しかし、この作品はそういう人達が観るものではないと思います。「エクソシスト2」の世界が好きな人は、同監督の「未来惑星ザルドス」(遂にDVD化されました!)もおススメです。