エアグルーヴはすごい牝馬だった。いえ、すごい競走馬だったとあらためて感じさせるDVDだ。エアグルーヴは骨折した秋華賞、落轍した最後の有馬を除いていわゆる凡走をしたことがない。牝馬でここまで常に「強かった」馬はそうはいない。なんと言っても秋の天皇賞を勝った馬である。バブルガムフェローに外からかぶせていって、前に出たら決して抜かせなかった。真っ向勝負だ。「強い」と何度見てもうなってしまう。最強牝馬としてはよくヒシアマゾンと同時に名前があがるが、ここまで強い馬が「男勝り」とか激しい印象を感じさせないのが、また彼女の魅力だ。それは彼女が本当に「愛された馬」だったからだと思う。エアグルーヴの馬装はいつも楽しみだった。きれいなリボンで編みこまれたたてがみ、かわいいメンコ。足の先までおしゃれで、どれだけ手をかけられているのかひとめでわかる。(今は引退したがファインモーション、休養中だがサムライハートも同じような馬装で、同じ厩務員さんなんだな、とすぐにわかる)DVDで関係者すべての彼女への深い愛情を確認できるだろう。そして彼女もまた、その人達を愛しているのだと。可愛くて、素直で、誠実で、気が強くて正しいプライドを持った究極のいい女、エアグルーヴ。母になっても超優秀。エリザベス女王杯のアドマイヤグルーヴのゴール前の走りにエアグルーヴの走りを見たのは私だけではないだろう。このDVDで確認してみてください。やはり愛されるものには、理由があるのだ。