ブライアン・シンガー監督による前2作が素晴らしかった『X-MEN』シーリーズから、ウルヴァリンの知られざる過去を描くスピンオフ作品。
画質は中々のもの。
全編を通して照りがあり、こってりと濃厚な発色で良く映える。
序盤の戦場シーンでの盛大なグレイン演出も面白い。
人物のアップでは解像感が高く、ウルヴァリンを演ずるヒュー・ジャックマンのビルドアップされた肉体が非常に生きる。肉体が改造されてゆく過程や筋肉の動き・流れる汗も余すことなく映し出す。
中盤の裏街での格闘場面で暗部の浅さが多少気になった。
またCG等の特殊効果はやや安っぽさを感じ、浮いている印象を受ける場面もあった。
DTS-HD5.1chで収録されたサウンドは非常に魅力的。
力任せの爆音に頼るのではなく、低音・重低音が良く弾み爽快。
会話・環境音も明瞭で、大事な金属音もシャープ。
サラウンドも的確に回り、風圧も感じられる。
特典も充実。PinPを含めた各種メイキングが盛り沢山。
収まりきれないものは別途同封のDVDに収録。
また2012年2月2日までの期間限定でDigital Copyも含む。
こちらはSD画質でPS3へ、またPS3からPSPへのコピーが出来る。
ひとつの作品としての完成度は今ひとつで、多くの事を語る『X-MEN』、『X-MEN 2』の完成度の高さと比較すると訴えかけてくる物が希薄でぼやけてしまっている。
脚本・演出力に難があり、回りのキーパーソンとなる人物達の掘り下げが浅い。演者が良い芝居をしているだけに非常に勿体ないと感じる。不要な登場人物の描写は極力カットし、そちらに裂いた方が良かったのではないだろうか。
ヒュー・ジャックマンの肉体だけに説得力を預けた印象が残る