オーストラリアを車で横断中の若者たち(女2人、男1人)が荒野のど真ん中で車の故障に見舞われる。
途方に暮れる彼等の前に現れた親切な男性。
その善意に応じて車をレッカーされて着いた先は地獄だった。
と、まぁ至極シンプルな物語です。
オーストラリア版「悪魔のいけにえ」との惹句がありますが似たような映画は他にも掃いて捨てるほどあります。
低予算でホラーを作るには制限が多く、結果的に似たような設定になるのも仕方ないですね。
ところがこの作品はかなり感触が違います。
見てる間も見終わった後も久しぶりに神経を逆なでされてる気分でした。
一番の要因はオーストラリアの荒野の風景。
90分の本編でホラーになるのは残り1時間を切ってからなのだが前半で入念に描写されるオーストラリアの荒野の風景はとにかく強烈に美しい。
しかし同時に人を寄せ付けないオーラを強く放っていて見ている内に「ここは人がいるべき場所ではない」「こんな場所なら何が起きてもおかしくない」
そして「こんな所に居続けたらおかしくなってしまう」と不安を掻き立てます。
多くのB級ホラーは閉鎖空間を舞台にしてサスペンスを盛り上げますが本作の場合はその逆。
超だだっ広い荒地を逃げまどう被害者の心もとない姿にアゴラフォビア(広所恐怖症)が誘発されそうです。
もう一つはこの殺人鬼のキャラクターです。
もちろん完全な異常者なのですが、まぁよくしゃべる!
そしてカカカと笑いながら残虐行為にいそしむ訳で異様なインパクトがあります。
バイオレンス描写などは実はそれほど過激な訳でもないのですがカメラワーク&役者陣の熱演のお陰でインパクトは3割増。
しかも前半にじっくりと描いて来た登場人物たちに対して一切配慮を見せない後半の展開はとにかく「無慈悲」。
結果的に見事な「投げっぱなしホラー」となっていて気持ちがへこむへこむ(笑)。
そういう訳で万人にはお勧めしにくい作品ですが「インパクトのある」ホラーであることは確かですね。