石坂浩二(当時大学生)のナレーションで始まる異次元物語「ウルトラQ」、初のウルトラヒーロー物「ウルトラマン」の二作に連続して起用された円谷監督お気に入りの女優「桜井浩子」の青春期。当時の撮影秘話などが語られ、ウルトラマン世代には感動ものの一作。
飲みに行き方、撮影待ち時間の過ごし方等、隊員達の意外な素顔が語られ興味が唆られる。しかし、本書での彼女はあくまで謙虚である。ウルトラ世代の憧れのヒロインにしては、驚くほど穏やかに当時を振り返る。勿論、当時の関係者達が存命しているという事情もあろう。関係者の暴露に対する類は一切語られない。そしてそれは、ウルトラ・シリーズの後の彼女の女優生活に依る所が大きいのであろう。ハッキリ言って、その後の女優生活で色々トライした割には成功しなかった。映画でヌードにもなったが、やはり成功しなかった。ウルトラ・ヒロインとしての印象が強すぎたのであろう。それが、本書執筆当時の謙虚さに繋がっていると思う。
アメリカにもマニアックなウルトラ・シリーズのファンが居て、彼等の間では「桜井浩子」は女神のように崇拝されているそうである。そんな女神が語った栄光に包まれながらも、ホロ苦い青春期。涙なしには読めません。