愛すべき妹がウルトラマンに変身、しかもラノベで、というので
本書が各種媒体で紹介されて以来、ずっと期待していました。
ウルトラマンとはいい歳こいたオッサンにそこまでさせる作品なのです。
先刻ご承知のとおり、ここ数年のライトノベルの現況は
血で血を洗う大戦争と言ったらなんですが、いわゆる「鉄火場」になっています。
月次で各社合わせて何冊出てるか想像するだに恐ろしい状態です。
そういう状況を踏まえたうえで本書を読んでいきますと
正直、不満が募ってきます。
これはウルトラじゃなかったら、ごくごく普通以下のラノベってことになっちゃいませんか。
ダメなニートの主人公、なのに必要以上にそれを慕う妹、
異分子の登場、しっちゃかめっちゃかの大騒ぎ、ちょっとした恋愛模様、三角関係…。
期待のし過ぎと言われたらそれまでですが
もっともっとできたんじゃないかなあ、という気持ちが強いです。
円谷プロさんのOKを頂いている企画なのでしたら
有名な人気怪獣や宇宙人を出してもよかっただろうし
先輩のウルトラ戦士を大集合させてもよかったんじゃないでしょうか。
(クライマックスで一名出てきますけども)
もっと「円谷公認」という強さを前面に押し出してほしかった。
昨今の東映さんのやり口を比較で出すのもナニですが
お父さん世代の囲い込みを狙ってか、大出血サービスってな感じで
ヒーロー大集合映画を連発してるじゃないですか。
あのテンションと売らんかな精神が本作にもあればなあ、と。
それにオリジナル怪獣・宇宙人は劇中に出てきますけど、そういう絵すら一枚もないじゃないですか。
(一応、一枚あるにはあるけども…)
バトルシーンもぜんぜんない。ひたすら女の子の絵だけです。
せめてウルトラ戦士と女の子の絡んだ絵を一枚くらい入れてくださいよ。
これではウルトラの名につられてきた読者はキツイっす。
そういうんじゃないんだよねー、女の子たちを見てほしいんだよーという声もあるかもしれませんが
じゃあ妹をはじめとする女の子たちの魅力だけで評価できるかっていうと、それもどうでしょう?
ぶっちゃけると、十年前ならこの調子でもよかったかもね、という印象です。
企画自体は話題を呼ぶことが必至ですし、素晴らしいのですから、
出版社側がその気になればいくらでも「やりたい!」という人気作家、
人気イラストレーターを呼べたはずなんじゃないかと。
何故、今回のキャスティングだったのか? それが自分の中で最大の疑問です。
(著者さんはウルトラシリーズの脚本家さんとのことですけども)
厳しい感じになってしまいましたが、期待の反動ということで勘弁してください。
PHPさんの限りなきチャレンジ魂に★3です。