マヌケな日本人の笑える日常を写すと天下一品の梅佳代の最新作。難しくて暗いことばかり考えてる人には世界は暗く見えるし、幸せな人には同じ風景がキラキラと輝いて見える。このような心象風景の理屈に沿って予想すると、この作家にとって日本列島はマヌケ・ギャグの宝庫のように見えてるはずだ。この作家の写真集が売れる理由は、日本の未来は暗いと喧伝されることに僕らが疲れているからだし、そういう意味ではお笑いブームと根が同じだと言っても良いだろう。
十年一日の写真理論や撮影テクニックからは遠く隔たった作家だが、日本という国について小利口な人間達が分かったような顔をして暗いことばかり話したがる時代に、僕達は愛すべきマヌケな国に住んでいるのだということを思い出させてくれる才能というのは、やはり「アーティスト」のそれだと思う。