アレン映画が、「笑えるコメディ」からいわゆる「ベルイマン的」作風へと転換した時期の作品6本がセットになっています。
年代順に並べた最初の3本(「バナナ」「セックスのすべて」「スリーパー」)ではコメディアンとしての(そしてそれ以上ではない)アレンが楽しめます。
後の3本(「アニーホ-ル」「インテリア」「マンハッタン」)は、もっと深刻かつ個人的な悩み/葛藤を含みます。ジャンル映画としての「コメディー」に飽き足らず、「芸術」を入れ始めたわけです。
佳作ぞろいで、見てがっかりする程度のものは含まれていません。
また、どれも単品でDVDが出ていますが(2004年12月6日現在)、新品で購入すると1本4、000円くらいしますので6本で20、000円強の価格は比較的お値打ち感があります。
特に、最近のアレン作品しか観ていない方には初期のコメディー3作品がある種の衝撃をあたえるのではないでしょうか。
現在の洗練された作風とは全く違った視覚的ギャグの氾濫するコメディーです。アレン演じるダメ男の必死さにもかなり笑えました。
ただし、笑えなかった冗談もかなりあります。
この3本を観ると「アニーホール」への転換がアレンにとって大きな挑戦だったことがわかりました。
本当は「スリーパー」と「アニ-ホ-ル」との間に「ウディ=アレンの愛と死」という作品があります。
このセットに含まれていたら、もっとコンセプトに沿ったものになったと思います。
最近の映画を観てファンになった方へはご購入をお薦めします。
2万円がちょっと高すぎると思うなら、初期の3作品のうちどれか1つを単品で購入してみて下さい。
(「アニ-ホール」以降の作品は比較的容易にレンタルショップで発見できます。)