タイトルも含め、フランスらしいミステリ。日本人やイギリス人、ましてやアメリカ人は書きそうにない。
ただし、タイトルは日本のオリジナル。原題は、料理と関係ない。
そういう意味では、翻訳者・編集サイドを評価したい。
本筋とは別だが、驚いたのがレストランのメニュー。コースの夕食の中に、牡蠣2ダースとある。当然ながら、ほかに前菜や肉料理・デザートもある。牡蠣がどの程度の大きさかは不明だが、日本人の胃袋では、牡蠣を2ダースも食べると、肉料理を食べる余力があるのかどうか疑問だ。ここでも、やはりフランスと言える。
本格的な謎解きというより、論理の展開を楽しむ作品。本格ファンすべてを満足させるのは難しいだろう。
最大の難は、主役の探偵シャンフィエが、あまり活躍したとは言えないこと。対照的に、娼婦のヨラド・ヴィコには、不思議な魅力を感じた。