オリバー・ストーン監督絶頂期の作品で、当時の彼の映画の中では一番政治的主張は弱いものの、かなり楽しめる大人の娯楽大作になっていると思います。 私はこの作品でインサイダー取引とはどういうものなのかを初めて学びました。 それにしてもなんと言ってもこの作品、マイケル・ダグラス演じるゴードン・ゲッコーのふりまく悪の魅力が最大の見ものです。 あの“グリード(強欲)・イズ・グッド”の一大演説は、今でも時々アメリカの駆け出し俳優がオーディションの時に披露する出し物の一つだ、という話を聞いたことがあります。 ダグラスにとってもこれが生涯の最高のパフォーマンスになった事は間違いがないと思います。 なんとなく腹黒そうで、いくら上品ぶってみても内面の下品さがに自然とじみでてくるーという彼の個性を(別に彼の人格がそうだと言うのではありませんが)体現した役どころですね。 ちょっと気の毒なんですが。
この作品が世に出てからすでに20年の時が経過してしまっているのですが(ゴードンが手にしている恐ろしく馬鹿でかいモービル・フォンが時代の推移を物語っています)、なんとなくあからさまな物質主義がますます浸透してきていて、だれもがプチ・ゴードンのような事を言い出す今の世の中、主人公バドの親父さん(マーティン・シーン)の“一生をかけて何かを創りだせ”というセリフを忘れたくないものです。 またこの作品、英語を勉強している方には格好のテキストとしても使えます。 アルク社のスクリーンプレイシリーズに、全セリフと日本語訳を収録したシナリオが出ているので、興味のある方はそちらもどうぞ。