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著者の意図したヒューマン・タッチでの物語り風の語り口が成功したかどうかは微妙なところだが、親しみを感じて読めたことは確かである。
経済小説の常として、読者側に最小限度の経済と経営の知識が必要だが、この本の場合には、更に、かなり高度なヘッジファンド等の金融取引に関する知識が要求されており、初見では楽しめないであろう。
今話題の経営者のモラルや会計処理の問題、リスク管理、それに、象牙の塔と実業との絡み、中国社会のビジネス等々サブ・テーマも豊かで興味深い。
兎に角、一世を風靡したジョージ・ソロスやジュリアン・ロバートソンさえ店じまいしたヘッジファンドの魑魅魍魎の世界を、豊かな経験から語っており、その歴史の一場面を駆け抜けたような気がしている。
本書はリスクの本質や資産運用業界の仕組み細かく伝えており、この点では充分に投資適格相当(ゆえに星5つ)。特に、ヘッジ・ファンドやプライベート・エクイティの歴史的発展、投資を行う上での注意点、投資後のモニタリングの視点など専門的な内容が濃い。投資を検討している、あるいは既に投資を行っている人には参考となるはず。
著者が協力者の匿名性に配慮するために苦肉の策としてとられた小説仕立ての評判から本書が敬遠されるとすれば、不幸なことである。
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