ウォール街から20年以上たって作られた続編。2作目は1作目に及ばないことが多いのだが、これは例外。2作目だけ観ても面白いが、1作目を先に観ておくと、ゴードン・ゲッコーというキャラクターに加わった年輪と、20年間前と現在のアメリカ経済・社会・風俗の違いを通して、時代を立体的に俯瞰できる。
冒頭でゴードンが出所するときに戻される携帯電話が滑稽なほどデカイことに象徴されるように、20年前とは格段にデジタル化・ネットワーク化が進んだ「今」。その「今」を描くのに、畳みかけるような筋の展開、アニメを組み込んだプレゼン、そして雲の流れの早送りのショット、数字の奔流のイメージ、画面分割によってスピード感を出すことに成功している。この映像の快感はソーシャル・ネットワークに通じる。
そういう「今」、ゴードンは強欲であり続けるのか、それとも人が変わってしまったのか。市場の担い手として登場する子供の世代(NINJA世代:No Income, No Job, No Assetとは言い得て妙)にどう対応するのか。やがて来るバブル崩壊の予感。ネットで広がる風評やモラルハザードの問題の今日性。それらポイントを過不足なく盛り込んで2時間ちょっとだから程が良い。
マンハッタンのスカイラインが株価(?)チャートになるオープニングからわくわくする。ラストのシャボン玉が、バブルがどこかに出現して破裂することを繰り返す資本主義の世の無情を暗示していて、余韻あり。
本作で中国とは対照的に日本の存在感は皆無。ここでも映画は現実をうつしだす。
本作でゴードン・ゲッコーは映画史に確かに刻印された。そしてこの傑作に接してオリバー・ストーン・イズ・バックと快哉したい。