前作の『ウォール街』には太い幹になるストーリーがあった。だから、ゲッコーがナニする人か見当もつかなかった子供のワタシでさえも中心にあるストーリーを追えた。本作のストーリーは枝ばかりがゴチャゴチャしている。ストーン監督、なんと込み入ってまとまりを欠いたストーリーラインを作ってしまったのか。この煩雑過ぎるストーリー、ストーン監督のパワーダウンを物語っているのか、あるいは、今回の金融危機の規模や複雑さをストーン監督がストーリーに織り込むのに四苦八苦したということか。
若者カップル側の話など、面白くないし、あり得ないし、要らねーよ、と溜息をつきたくなる。初っ端で、若者ヒーローはエネルギー専門の投資銀行家らしいと分かる。そして何故か、リーマンとベア・スターンズをモデルにしているらしい老舗投資銀行の社長に寵愛されていて、時期外れの巨額ボーナスみたいなのを貰っていたりする。のっけからかなり「???」となる。で、「父を憎むゲッコーの娘」は取ってつけたような話で、彼女の父に対する敵意は大袈裟で不自然だ。この娘、たまに引っ叩きたくてムズムズする。追い打ちをかけるように、演じる若手男優&女優に魅力がない。ストーン監督のキャスティングセンスはたまにかなり謎だ。
という訳で、残念な続編ではあるのだが、そうであればこそか、マイケル・ダグラスが凄いと分かってしまったのが面白かった。この人が登場している間だけは、楽しい。スクリーンが生き生きする。この人が口にすれば、凡庸な台詞も何かしら興味深いような感じがしてくる。「ゴードン・ゲッコー」を時代の象徴にしたのは、ストーン監督よりもむしろマイケル・ダグラスの力だったのではないか。結局、マイケル・ダグラスのカリスマ性に感嘆して終わっただけのような気もする。前作からの底上げがあるので最後まで見れることは見れる。しかし、あのラストはかなり困惑物。ストーン監督がここまで丸くなったということか。