2008年6月14日からの3ヶ月間、スペイン・サラゴサ万博が開かれている。サラゴサ万博では、「水と持続可能な開発」がテーマ。私がこのレビュー・タイトルに選んだ言葉は、Team Love H2O実行委員会のメッセージから借用した。
このCDは、渡辺貞夫さんと村治佳織さんによるコラボに、いろいろな分野のアーティストが参加しての、万博公式記念コンピレーション・アルバムである。7月22日のJapan Dayには、雅楽の東儀秀樹さんの篳篥が披露される。このアルバムの中でも、その清らかな音色を楽しむことができる。翌22日からはJapan Week。
オープニングはアルバムタイトルの "Water Colors"、クロージングは”ある日郊外で”。いずれもこの万博サポートのための渡辺貞夫さんのオリジナル曲。優しく語りかけるアルトサックスの響きと透明度の高いギターの音色が、見事に調和のとれたサウンドを奏でている。どの曲も充分に耳を楽しませてくれるが、圧巻はラス前に収録されている、シューベルトの”水の上で歌う”であろうか。ソプラノがルネ・フレミング(メトロポリタン・オペラの美貌のプリマ)で、これは思わぬプレゼント。さらに、ピアノ伴奏がかつてアイドル・ピアニストとして一世を風靡したクリストフ・エッシェンバッハ。1940年生まれのエッシェンバッハは、今では欧米の人気・実力トップクラスのパリ管弦楽団とフィラデルフィア管弦楽団の音楽監督をつとめるマエストロ。この二人のシューベルトが聴けるだけでも、充分な価値あり。
安全できれいな水が確保できることで、貧しい国々の子どもの死亡数は半減するとか。このCDの売り上げの一部は、世界の子どもたちに安全な水を贈るために使用されるとか。一人でも多くの人に、この美しい音楽を聴いてほしいし、CDを買ってあげてほしい。