「子供たちよ・・」 ロンドンの高校の歴史教師トムは、生徒に向かって語りかける。彼が生まれた水郷フェンズの土地の物語、そこでの家族の歴史、知恵遅れの兄ディック、現在の妻であるメアリーとの愛と性など。ウナギについての考察やフランス革命、そして自然史についてなど紆余曲折しながら彼の物語は続く。が読んでいくうちに、彼が現在置かれている状況、そして過去の殺人事件や祖先や家族についての謎などが自然に明らかになり、彼の壮大な「物語」が終わる。
久しぶりに読んだ「いい小説」という感じがした。小説家の莫大な知識を、話の中に上手くちりばめたこのような本は、初めて読んだような気がする。日本語の翻訳も重厚な文章で「翻訳」であることを感じさせない。