期待を裏切らない内容なのですが、本書は本国TP4巻から6巻が収められており、刑務所編がTP8巻までなので、展開の一番クライマックスになる所に届かないのがとても残念でした。コミック誌に残る悪役として紹介されている総督(ガヴァナー:本名フィリップ)も、本書邦訳第2巻でも充分ひどい奴だとは言うものの、その本領全てはまだ発揮されていません。邦訳第2巻の見所としては、異常な状況下でひずみを生じる人間関係や、主人公リックが、ひどい目に遭いながらも家族を守りたい余りに、無法な環境に順応していってしまう心理の暗黒面でしょうか…。目を引く展開として、ゾンビを鎖に繋いだ新キャラクター女剣士ミショーンも登場するにも関わらず 仲間にとってはトラブルメイカーな存在でしかなく、刑務所内に大型発電機が発見されても結局最後まで全く活用もされず、どれも明るい展開に発展する事が無いので、全体的な物語の展開としては、ずっと沈んでいる様なダークな印象の本巻です(勿論期待されるショッキングな展開もありますが…)。でも、この段階で登場人物それぞれの心理面を丁寧に描いている事が、しっかりと次の展開への布石になっています。私は続きが待ちきれなくてTP15巻迄全て揃えてしまいましたが、登場人物同士がじっくり話し合っている場面は、やはり邦訳の有り難さを痛感します。また、ロバート・カークマンのインタビューや、ホリデイスペシャルの心温まる短編(このストーリーもまた後々の酷い出来事への布石になってしまうのですが…)は、本国TP版には掲載されていないものなので、とても有り難く感じます。
本書の続きに当たるTP2冊分がこれ迄で最大のクライマックスというのは確かです。この邦訳第2巻の展開で日本の読者にがっかりされる事のない様、出来るだけ早い時期に邦訳第3巻の出版を切実に希望します!。そこに展開される、これまでのゾンビ映画では見たこともない怒濤の信じられない様な出来事に、誰もが思わず息を呑む事でしょう。